速く走れる人は置いといて、貧脚のへなちょこライダーには走り方にも方針、大げさな言い方をすれば「戦略」が必要になる。
結論から言うと、「速く走る」ことより「スピードを落とさない」ことが重要だ。
ブルベの制限時間は時速15㎞で計算される。
かなりゆっくりに感じられるけど、睡眠、食事、休憩、交差点での停車時間にヒルクライムの時間まで含まれる。
自分の感覚だと、平均的巡航速度22〜23㎞で走った時、制限時間ギリギリだった。
ちなみに600㎞コースでトップだった人は、20時間でゴールしてた。
時速30㎞!
巡航速度は40㎞近くまでいくんじゃないだろうか。
恐ろしい数字だ。
こんなすごい人がブルベというマイナーな世界で世間的には無名のままごろごろいるんである。
競輪選手並みにリスペクトされてもいいんじゃないんだろうか。
ともかく、へなちょこライダーは、速く走ることにはキッパリと見切りをつけた方がいい。
で、「スピードを落とさない走り」へと頭を切り替えるべきだ。
中途半端にがんばっても、たいして報われない。
ブルベは順位をつけないことになっている。
トップでゴールしても、ビリで滑りこんでも、制限時間なら同じ扱いだ。
事実上のブルベ世界大会「パリ・ブレスト・パリ」の選考基準にも、タイムは関係ないのである。
速さに見切りをつけたら、スピードを落とさずに走ることに専念しよう。
Q 一番スピードが落ちるのは?
A 停まった時。
何を当たり前のことを、と思うかもしれないが、意外とわかってない人は多い。
例えば、片道1時間、約15㎞の自転車通勤時、シャカリキに走っても、タイム短縮はせいぜい5分前後だ。
でも、今日は一回も信号に引っかからなかったな、なんて日は約10分短縮だったりする。
片道15㎞なら全力疾走できるかもしれないけど、600㎞は無理だろう。
へなちょこライダーには、速く走るより、停まらないことの方が重要である。
停車するのはチェックポイントになるコンビニだけにして、食事・トイレ・重ね着または脱着をすませる。
交差点の信号に引っかかった時は、水分補給、コース確認など。
停まらざるを得ない場所で必要最小限の用事をすませるのが理想だ。
ブルベ始めの頃は、途中で腹が減ったり、トイレに行きたくてガマンができなくなったり、コースがわからなくて立ち止まってしまったり、かなりの時間をムダにしてしまった。
一番、忌々しいのはトイレ。
特に夏場はつい水分を摂りすぎてトイレに寄りたくなってしまう。
次のチェックポイントまで30分くらいなら我慢できるかな、て感じだったけどそれ以上はムリだった。
いっぺんに飲まず、10〜15分おきに一口含むだけにするのが理想だったのだが、最後まで身につかずに終わってしまった。
速く走るより、トイレを一回減らす方が、よっぽどタイム短縮につながったろう。
へなちょこブルベ プロフィール
一年間、ブルベに参戦。 なんとかSR(スーパー・ランドナー)取得。 走るのが遅く、メカ音痴・方向音痴でデジタルも苦手、いつも制限時間ギリギリにゴールしていたヘタれなライダーによる試行錯誤の記録です。