ロシアがウクライナへ侵攻してから「地政学」が注目されています。
「なぜ21世紀にもなって戦争が起こるのか?」
「日本が侵略されたら?」
危機感を持った人が多いのでしょう。
そこで、手っ取り早く地政学を知るための読みやすい漫画と本(主に児童書)を紹介します。
漫画は読みやすいだけでなく面白い。
そして、児童書は大人から見ればさすがに分かりやすいし、要点のみが書かれているので、ざっくりと全体像をつかめます。
特に地図資料に関しては大人用の本よりも理解しやすいくらいです。
(大人用地図は情報量が多すぎて返って分かりづらい……)
自分の場合、ざっくりとでも地政学を知ったことで、新聞を読んだりニュースを聞くことがちょっとだけ楽しみになりました。
あなたも、そうなってくれれば嬉しいのですが……。
「北朝鮮と韓国がいつまでたっても統一されないのは地政学的に見て統一を望んでる国が世界に一つも無い」には圧倒されます。
・長い国境で隣り合っている国同士は仲が悪い。
・敵の敵は味方
・世界は海洋国家のシーパワーと内陸国家のランドパワーとがせめぎ合っている。
こんな原理原則に当てはめると、現在のややこしい国際情勢がすっきりとわかります。
擬人化8コマ漫画と用語集とで地政学をギュッと圧縮して教えてくれます。
漫画の中で、日本と中国がサッカーをする場面があります。
日本はベトナムとフィリピンと台湾とで全力ラインディフェンスをやっているのです。
それでも中国のルール無視100人攻撃に押されるw
「日本決死のボールキープは続きます」の実況が泣かせます……。
内容では、「地球温暖化でロシアの南下政策は変わるのか?」が印象的。
他の地政学本では触れていないものでした。
地球温暖化で北極の氷がとけるなら、ロシアは自前の港をもうすでに持っているのでは?
すでに北極海航路が確立されているなら、ロシアはウクライナへ侵攻して南下するより、北極海航路で儲ければ良いのでは?
いろいろ考えさせられました。
これも擬人化漫画。
地政学の基本である世界現代史をさっくり理解できます。
世界現代史を一気に駆け抜けると、日本にとってドイツとロシアが大きな存在だったんだなというのが率直な感想。
日清戦争のときの三国干渉も日露戦争の原因になった黄禍論もドイツが原因。
その後の、第一次世界対戦と第二次世界対戦も結局はドイツが中心でした。
そしてロシア。
ロシアの目が西のヨーロッパへ向くか、東の日本へ向くかで世界史の流れが決まってきたようです。
今はロシアが西のウクライナへ侵攻して、しかも、
うまくいっていないから東の日本が無傷でいられるわけですね。
世界を1つのクラスに擬人化すると、みなアホな生徒ばかりでびっくりしますw
戦争史のマンガ本ですが地政学とも深くリンクしてます。
エンタメ度が高いので「地政学はハードル高そう」と思ってる人にオススメです。
あとがきを読む限り、作者はロシアのウクライナ侵攻をかなり意識しているようです。
学校の教科書は、「いじめはいけません」「 戦争はいけません」と教えてくれますが 、いじめられたら どう戦うのか、攻め込まれたら どう戦うのか、について教えてくれません。
(略)
いじめは 国と国との関係でも起こります。
たとえ 小さな国でも、独立と自由のために武器をとって戦う姿勢を見せれば、まわりの国々から尊敬されます。
「戦争はいけません」というお説教を百万回するより、「攻め込まれたらこう戦え」と1回でも教えたほうが、戦争の防止には、はるかに役に立つと思います。
作者の主張には賛否両論あると思いますが無視できません。
どんな綺麗事を言ったところで、一方的に戦争を仕掛けてくる国が実在すること、そして、そんな国が隣国であることを私たちは知ってしまったのですから……。
地政学がテーマの漫画。
「漫画版」ではなくて純然たるエンタメ漫画です。
物語では地政学リスクコンサルタントが主人公。
主人公のユリは世界中を飛び回って紛争を解決します。
特に2〜3巻のウクライナ編は必読です。
世界三大スープの一つボルシチはロシア料理だと思いこんでいたけど、ウクライナ料理だったんですね。
自国の誇るべき文化を敵国の料理だと勘違いされたら、ウクライナの人たちはさぞかし嘆き悲しむことでしょう。
この漫画を読んでよかった……。
日本とウクライナの共通点も興味深い――。
・ロシアと戦ったことがある
・領土をめぐってロシアと揉めている
・原発のメルトダウンを経験している
などなど。
ちなみにキーウと京都は姉妹都市になっているそうです。
物語の中で、ユリが各国の郷土料理・名物料理を紹介してくれるのも楽しみです。
とても子ども用などと侮れない。
むしろ、すっきりとまとめられていて読みやすかったです。
・ランドパワーとシーパワー
・ハートランドとリムランド
・オフショア・バランシングにチョークポイント
地政学独特の用語が簡潔にまとめられています。
読んでいると、地政学のノウハウはそのままそっくり現代の学校にあてはまるのでは? と思えてきます。
教室のどの位置に座るかは選べないし、誰が隣にくるかで学校生活の快適さは違ってきます。
誰がクラスのボスで、誰と誰が仲が良いか、悪いかで立ち位置も決まる。
スクールカーストの中で、どう立ち回ればイジメられずに平穏な学校生活を送れるか?
これって、そっくり地政学です。
現代の子供たちこそ、地政学の考え方を必要としてるのかもしれません。
高校生と中学生の兄妹がアンティークショップ店長(通称カイゾク)から歴史の本質・ニュースの裏側についてレッスンを受けることに……。
「13歳からの地政学」が画期的なのは、ほとんど地図が出てこないところです。
たいていの地政学本には、やたらと地図が出てきます。
読者サービスのつもりかもしれないけど、情報てんこ盛りすぎて、ごちゃごちゃして、よくわからないものがほとんどです。
もう一つ素晴らしいのは、地政学本には必ず出てくるランドパワーやシーパワーなどの専門用語を使わず、作者が自分の言葉で語りかけてくれることです。
「13歳からの地政学」は、「数式を使わない理系本」のようです。
特に 文系人間には馴染みやすいのではないでしょうか。
内容では「日本のそばにひそむ海底核ミサイル」が印象的でした。
これまで何冊か地政学本を読んできましたが、核ミサイルについて正面から取り上げた本ってなかったからです。
恥ずかしながら、「13歳からの地政学」を読むまで、世界で核保有国は何カ国あるのかも知りませんでした。
中学生よりもむしろ大人におすすめしたい本です。
最期に大人用の本ですが読みやすい本を紹介します。
地味な表紙ですが、めちゃくちゃ分かりやすい本でした。
シンプルかつ分かりやすい地図で、国別・年代順に追っかけていく構成です。
なぜ反日がこれほど多いのか?
なぜロシアは南下するのか?
なぜ中国は新疆ウイグル自治区を弾圧するのか?
地図の変遷で分かってきます。
例えば──。
日本の海外進出の歴史を地図に落としこんだものを年代順に並べてみていくと、よくもまあ、こんなちっぽけな島国が、中国大陸や太平洋を暴れまわったもんだと感心してしまいます。
日本人は原爆を落とされたために、戦争の被害者だと感じているようです。
しかし、むしろ 海外の国々は、日本は元加害者で今なお警戒すべき国だ、と思われているのですね。
そんなことも分かってきます。
ここまで計8冊の漫画や本を紹介してきました。
これまで地政学は「ヤバい学問」でした。
基本的に「自国が繁栄するためには」「どうすれば他国に戦争で勝てるか」を追求するものだからです。
しかし、皮肉なことに、ロシアがウクライナに侵攻してからは再評価されています。
そして今現在、イスラエルとハマスが衝突しています。
残念ながら21世紀になっても戦争は終わりませんでした。
「なぜ戦争が起こってしまうのか?」を知るためにも、地政学は知っておいて損はないでしょう。
今回はこれまで読んできた地政学本の中で、気楽に読める漫画と本を紹介しました。
リラックスしながら地政学の漫画や本を読むことで、あなたのモヤモヤが少しでも減れば幸いです。
地政学をテーマにした漫画や本はこれからもフォローし続けるつもりです。
読みやすくて分かりやすくて面白くてタメになる漫画や本が見つかったら、また紹介します。
では!
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【プロフィール】
「もっと楽に生きるための気楽に読める漫画と本」を紹介します。
読みやすくて、おもしろくて、わかりやすくて、タメになる漫画、エンタメ本、児童書が中心。
年約1500冊の漫画と365冊の本を読んでいます。
現在セミリタイア済みFIRE民。
ライフハックとテクノロジーでチートする「がんばらない」ライフスタイルを目指しています。
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