らくだのライフハック

猫のように丸くなって暮らしたい

─セミリタイアして本とマンガの日々─

【チ。─地球の運動について─】地球の運動をめぐる群像劇。地動説「藪の中」

 

■地動説に関わる者たち

地動説をめぐる物語は、単なる「命がけで真理を探求した者たち」の集まりではありません。

神=天動説の時代、教会に背いて地動説を追求しようとする者たち、あくまで神と天動説を信じ異端審問官として地動説派を迫害する者たち、そして真理を追求しすぎて道を踏み外す者まで登場します。

 

■あまりにも頑なな探求者たち

地動説派の多くは地動説を探求する中で悲劇的な運命に直面します。

その一方で、知能が高いためか、頑固で傲慢な一面も見せます。

正直、共感することが難しくなることもありました。

何の得にもならないのに、どうして命がけになってまで?  と思ってしまいます。

職場にいたら面倒なやつですねw

 

■悲しみにくれる悪役

物語に登場する悪役「異端審問官」は残忍な拷問で人々を苦しめますが、時代の変化により彼も悪役であったことに気づきます。

それでも彼は神を信じ、自分の死の際、よりによって地動説派になってしまった娘のために祈ります。

後世の我々から見れば愚かな存在ですが、当時は異端審問館の方がマジョリティで正義だったのです。

 

■真理のために道を踏み外すもの

群像劇のトリとして元祖マッドサイエンティスト登場します。

真理を求めるあまり何でも実行してしまう。

目的のためには手段を選ばず、堂々と自分を正当化します。

彼を見ていると、因習的な宗教と科学万能主義の双方に疑問を持ってしまいますね。

 

■地動説「藪の中」

この物語は芥川龍之介の「藪の中」のような三者三様の正義が交錯する話です。

どれが正しいかは一概には言えない魅力的な群像劇でした。

ちなみに、最終ランナーはコペルニクスの師となる人物です。

時代が変わっても地動説への迫害が続いた歴史がありますが、カトリックが地動説を正式に認めたのは最近の1992年だという事実も興味深いですね。

 

作者の次回作が楽しみです。

 

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■プロフィール

セミリタイア済みFIRE民。

築50年の生家を両親から受け継ぎ、ミニマリストを目指して断捨離を実践中です。

 

もともと寝そべり族で「がんばらない」ライフスタイルを追求。

ライフハックとテクノロジーでチートする都市型スローライフを目指しています。

 

セミリタイア後は読書生活に突入して年間150冊の本と1500冊のマンガを読了。

本は橘玲さんの本をよく読んでいます。

もちろんエンタメ小説やマンガも大好物。

おもしろくて役立つ作品を厳選してオススメしています。

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