■この残酷な世界
景気は良くならない。
格差はどんどん広がる。
少子高齢化は進んでいる。
「日本はオワコンだ」と誰もが言っている。
確かにヤバい状況だ。
けれども、作者の橘玲さんは言っている。
残酷な事実にしっかりと目を向けて
自分の置かれている状況を理解すれば、
自分とその家族ぐらいは
何とかなるかもしれない。
まあ、どうやっても「日本の社会はダメ」という本音も聞こえてくるのだが……。
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■「やってもできない」ヒト
世の中は自由でリベラルな世界になった。
「努力すれば何にでもなれる」はずの。
それでも、うまくいかない人はどうすれば良いのだろう?
「努力が足りない」と言って、さらに自分を追いこむか?
全て自己責任になってしまうのだから、自由でリベラルの世界はかなりシンドい。
橘さんは「必要なのは『やってもできない』事実を受け入れること」と言う。
■「好きを仕事に」という残酷な世界?
やってもできない人は、我慢してブルシットジョブやマックジョブをするしかないのかもしれない。
けれども、いつまでも夢を追い続けるのも、それはそれで大変そうだ。
「やりがい搾取」って、トラップもある。
なまじ、家族の理解があったりすると、引くに引けなくなる。
年をとっても夢にしがみ続けるしか、自分の人生を肯定する方法がないのだから……。
■恐竜の尻尾のなかに頭を探せ!
残酷な世界で生き延びるには──。
生活コストを下げる。
自分の得意なニッチな世界で評価を獲得する。
評価を収入につなげるちょっとした工夫をする。
「マイクロ法人」で武装するのもありだ。
■伽藍を捨ててバザールに向かえ!
世界から隔離された「伽藍(会社)」のなかで行われる日本式ゲームでは、せっかくの評判も外の世界へは広がっていかない。
だから、バザール(グローバル市場)を舞台へと、ゲームチェンジが必要になる。
どんなに優秀な人でも、大企業に入ってしまえば出世レースに参加せざるを得ない。
成果を上げるよりは、失敗しないように、ネガティブゲームに組みこまれてしまうのだ。
数年で異動になるから専門性も身につかない。
これじゃあ、外国企業と向かい合った時に、勝負にならないのも無理はない。
■君にふさわしい場所
正直に言うと、「残酷な世界で〜」だけじゃなく、橘さんの本を読んでいると、気が滅入ることが多い。
今の世の中がどれだけ残酷な世界なのかが、これでもかというぐらいに書かれているからだ。
おまけに、統計データを駆使して見せつけてくる。
だからといって、現実から目を背けて現状維持を続けていたら、状況はさらに悪くなるばかりだ。
周りの人が動いていない時こそ、差別化を図るチャンスでもある。
橘さんは最後にあとがきでこう言っている。
ここまでぼくの話を聞いてくれたのだから、
君は僕に似ているのだ。
橘さんの本は読むのがシンドいけど、どれも納得できることばかりだ。
みんな内心思っているけど、口には出さないことを教えてくれる。
次はこちらを読むつもり──。
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■プロフィール
セミリタイア済み節約系FIRE民です。
両親が遺してくれた築50年の生家に生息中。
ミニマリスト目指して「親の家を片付ける」に励んでいます。
もともと寝そべり族で「がんばらない」ライフスタイルを追求中。
ライフハックとテクノロジーでチートする都市型スローライフを目指しています。
年間150冊の本と1500冊のマンガを読了。
橘玲さんの本が好きです。
橘さんの影響で、進化論、お金に関する本をよく読みます。
読んだ中から「おもしろくて、ためになった」作品をオススメします。
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