■AI とノーベル文学賞
Chat GPTが話題になってる。
「そろそろ使ってみたい」とも思う。
(使えるかどうかはまた別の話……)
AI が出てくる小説を読んでみたくなって手に取った。
作者がノーベル文学賞受賞者と聞いてちょっとビビる。
でも、装丁のポップな絵に勇気をもらった。
結局はジャケ買い?!
■語り手は AI ロボットのクララ
クララは物語では AF(人工親友)と呼ばれる。
病弱な少女ジョジーに見初められるのだ。
そして、彼女の孤独な少女時代を共に過ごす。
そして、この物語はクララが語り手となる。
まだ経験の浅い AI なので人間社会を上手く認識できていない。
だから、ところどころ、よくわからない表現も出てくる。
隣の家の男の子が鳥を操っている? シーンとか。
もともと作者のカズオ・イシグロさんは説明しないタイプの小説家のようで、わからないまま、軽く謎を残して物語は進行していく。
いつも読みやすくてわかりやすいエンタメばかり読んできた自分にはかなり新鮮だった。
実際、このあたりは翻訳者もかなり苦労していたようだ。
翻訳者へのインタビュー記事も面白かった。
■AI同士でも格差社会?
面白かったのは、AIロボットにも格差があるって事だ。
クララは最新型ではなく、1つ前の旧型で、型落ちなのだ。
そして、最新型AI ロボットは旧型と交わろうとしない。
自分が旧型だと誤解されると引き取り手が見つかりづらくなって困るからだ。
AI 同士でもマウントの取り合いはある。
これって、他のマンガの AI ロボットにもあった。
人工頭脳が優秀になればなるほど人間に近づく。
そして、妬みや羨望などの感情を表すようになっていた。
■AI の太陽信仰?!
クララは観察力があり、思慮深いという個性を持っている。
だからなのか、太陽エネルギーで動いていることもあってか、太陽=「お日さま」を崇拝するようになる。
古代エジプトの太陽信仰もこんな感じだったんかな? と感じさせる。
とても純正な祈り。
だけど、同事に危うい。
カルト村で育つ子供が、たちまち環境に染まっていくような怖さを感じる。
■説明のないディストピア社会
物語の舞台は近未来だろうか?
例によって説明はない。
でも、少しずつ小さな違和感が積み重なっていく。
「向上処置」を受けたジョジー。
クララにジョジーのモノマネを何度もさせる母親。
優秀だったが「置き換えられた」ジョジーの父親。
なかなか完成しないジョジーの「肖像画」。
何よりもジョジーを優先しているのに、他の人間にも平等に献身してしまうクララ。
違和感が積み重なっていって不気味さを増していく。
まるでホラーだ……。
■本当に美しい子供は AI ?
クララは一途にジョジーのことを考え続ける。
でも、ジョジーは成長していく。
子供の頃の約束や計画は、忘れてしまったり、平気で反古にするようになる。
でも、それが「大人になる」ってことだ。
その一方で、 AI は最初にインプットされたコマンドをいつまでたっても実行し続ける。
純粋な AI と残酷な人間。
それでもクララは自分に満足し状況を受け入れていくのだ。
最後まで周囲に対する感謝を忘れない。
なんだか「アルジャーノンに花束を」を読んだ時のような気分。
カズオ・イシグロの他の作品も読んでみたくなった。
■AI のマンガや小説がもっと読みたい
AI ロボットの出てくるマンガや小説はこれまでにもあった。
ロボットとまではいかないけど、ようやく現実が追いついてきたのだ。
これまで読んできた「AI をテーマにしたマンガ」で面白かったものを紹介しよう。
児童用学習マンガだけれど、AI のことが手っ取り早くわかるので、むしろ大人にこそおすすめ。
相手が AI か人間かを見分ける2つの方法が参考になった。
AI ロボットが死を受け入れて心を持つシーンが印象的。
終わりがあるからこそ「もののあはれ」が生まれるのか?
レプリカントも寿命が定められたから人間に反乱するようになったんだっけ……。
社会の進歩が停滞している「夕凪の時代」の物語。
AI ロボットも、かなりゆる〜い。
でも、そこがいい。
AI との付き合いはこんな感じが希望。
清水玲子さんは初期の頃、ロボットと人間との恋愛をよく描いていた。
AI が人間に反乱するというよりも、ロボットの一途さが際立っていた。
Chat GPTの登場によってリアルになってきた AI。
AI をテーマにした新しいタイプのマンガや小説を読んでみたい。
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セミリタイア済み節約系FIRE民です。
寝そべり族で「がんばらない」ライフスタイルを模索中。
ライフハックとテクノロジーでチートする都市型スローライフを目指しています。
年間150冊の本と1500冊のマンガを読了。
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ジャンルは経済的独立、お金、経済。そして、歴史・ニュースなど。
コミックエッセイ、漫画版、「中二本(14歳でもわかる〇〇)」、「もしも本(もしも〇〇だったら)」が多め。
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