「グラゼニ」フットボール版?!
主人公はカジ。
J 1 人気クラブから四国・愛媛のJ 2弱小クラブへレンタル移籍された選手だ。
いわゆる「片道切符」。
戻れる可能性は限りなく低い。
いろいろ崖っぷちだ。
シビアなJリーグは成果主義の格差社会だ。
平均引退年齢は25〜6歳。
カジの年収は400万円。
微妙でリアルな金額だ。
母子家庭で育ったカジは、サラリーマンの生涯賃金、約2億3000万円を稼ごうと奮闘する。
これは「グラゼニ」フットボール版なのだ。
※ いつのまにか大リーグ再チャレンジが始まっていてびっくり。
メジャーリーグのグラゼニ事情が楽しみだ。
弱小クラブの経営事情
カジの所属するクラブは J2リーグの真ん中あたりの成績。
予算額は年10億円の設定だ。
マンガでは内訳が細かく記される。
選手の年俸を合計すると、10億円のうちのたったの3億。
身につまされる数字だ。
意外だったのは、たとえ選手が「低い年俸でもいいからクラブに残りたい」と言ってくれても、貧乏クラブは受け入れることができないこと。
他のクラブから高額 オファーを受けた若者を引き止めても、将来を保証できないし、起用にも気を使ってしまうからだ。
現実は「男気」だけでは回らない……。
「マネーボール」フットボール版?!
カジのチームの監督は統計データを駆使して「サッカーデータ革命」を起こそうとする。
これが「マネーフットボール」のもう一つの見所だ。
マンガでは、誰を挑発すればレッドカードを勝ち取りやすいかスカウティングするエピソードまで登場する。
まるで「マネーボール」のようだ。
データ重視は野球だけじゃなくてサッカーも……。
弱者が強者に勝つ戦略
ところでカジの武器はスローインだ。
初めて読んだ時は、足のスポーツ・サッカーなのに手を使うロングスローが得意技? と驚いた。
でも、片道レンタル移籍で崖っぷちの選手は手段を選んでられない。
実際、現実の世界でも、一回転してロングスローする「ハンドスプリングスロー」がある。
※ ファウルを取られやすい らしい
スローイン、ロングスローはサッカーの理念には反するかもしれない。
でも、強者に勝つために、弱者があれこれ工夫するエピソードは大好物だ。
能田達規さんのサッカー漫画はどれもオススメ
作者の能田達規さんは他にもサッカー漫画を描いている。
どれも、おもしろい。
「マネーフットボール」のような弱小クラブを舞台にしたり、レディースや裏方やクラブ経営など日陰の存在にスポットを当てている。
スタジアムのグルメ漫画。
これもJ2クラブが舞台。
クラブの地元密着な企業努力が伝わってくる。
あまり日のあたらない女子サッカーのシビアな現実が伝わってくる。
「なでしこジャパン」復活はいつの日か……。
サッカークラブの道具係「ホペイロ」の存在を初めて知った。
監督やコーチはどうしてもチーム優先。
選手のサッカー人生はニの次になってしまう。
だからこそ代理人が必要になる……。
能田達規さんは「あつあつ!スタグル旅」の連載を始めていた。
また、スタジアムグルメを楽しめる。
単行本化されるのが待ち遠しい。
【プロフィール】
セミリタイア済み節約系FIRE民です。
寝そべり族で「がんばらない」ライフスタイルを模索中。
ライフハックとテクノロジーでチートする都市型スローライフを目指しています。
年間150冊の本と1500冊のマンガを読了。
「おもしろくて、ためになった」作品をオススメします。
ジャンルは経済的独立、お金、経済。そして、歴史・ニュースなど。
コミックエッセイ、漫画版、「中二本(14歳でもわかる〇〇)」、「もしも本(もしも〇〇だったら)」が多め。
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