らくだのライフハック

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─セミリタイアして本とマンガの日々─

【黒牢城】安楽椅子探偵・黒田官兵衛が「曲事を解く」戦国ミステリー。茶大名・荒木村重逐電の謎も……。

 

安楽椅子探偵黒田官兵衛

異色の戦国ミステリーと評判の高い「黒牢城」。

戦国時代の軍師として名高い黒田官兵衛安楽椅子探偵になるという。

おもしろかったのは、官兵衛が直接事件を解決するわけじゃないってこと。
官兵衛は、あくまでヒントを出すだけ。
あくまで最終的に謎を解くのは城主の荒木村重

この村重も城を捨てて逐電するという不可解な史実がある。

この謎にも官兵衛が関わっているという趣向。

なかなかヒネりが効いてる。

 

「黒牢城」あらすじ

黒田官兵衛有岡城の獄中にいた。
織田信長に謀反した戦国大名荒木村重を説得しようとして、逆に、とらえられたのだ。

この有岡城では不可解な事件が続く。

やむなく村重は官兵衛に謎解きを持ちかけることになるのだが……。


荒木村重逐電の謎

史実によれば、荒木村重は籠城中の有岡城から蓄電する。
妻や部下を捨てて逃げた、と言われる。
茶大名で数寄者の村重は、茶器を失うのが惜しかったのだろう、と軽蔑された。
その一方で、援軍を呼ぶ交渉のため、とも。


いずれにしろ、村重が不在となった城は落ちた。
妻をはじめ大勢が磔(はりつけ)にされる。
しかし、村重はその後も生き延びて豊臣秀吉の「御伽衆」になったそう。
織田信長に抜擢されるほど優秀だった荒木村重
それなのに、信長に謀反し、単身、逃げ出すような真似をする。
かなり不可解な存在だ。
「黒牢城」は荒木村重の謎にも踏みこんでいるのだ。


戦国大名は辛いよ

「黒牢城」がおもしろいのは「謎解き」だけじゃない。
荒木村重の、戦国大名の「辛さ」がよくわかるのだ。

村重は成り上がりの戦国大名
今度は自分が「下剋上」されるかもしれない。
それだけに部下の掌握には気を使う。


おまけに治めている土地は自分とは縁もゆかりもない。
そんな村重が、先祖代々この土地に住んでいる豪族たちを従えなければならない。


「黒牢城」では村重のストレスフルな毎日が伝わってくる。

管理職なら共感するだろう。
村重が茶道に癒やしを求め、のめりこんでいくのも、しかたがなかったのかも──。


戦国異色キャラ「荒木村重

なにかと不可解な荒木村重

戦国時代では異色キャラ扱いだ。

 

戦国時代 4コマギャグ漫画「信長の忍び」でも「困ったちゃん」だった。

 

へうげもの」では一人で茶器を背負って逃げ出している。

 

妻や部下たちを見殺しにして生き残った荒木村重は蔑視されている。
でも、現代のサラリーマンから見ると、とても人間臭い。
戦国武将なんて、よほどメンタルがタフじゃないとできないし。


生き残った荒木村重は、その後どういう人生を送ったんだろうか?

誰か、小説かマンガで描いてくれないだろうか。
なんか気になる……。

 

【プロフィール】

セミリタイア済み節約系FIRE民。

年間約150冊の本と約1,500冊のマンガを読む。

食事は肉・卵・チーズのMEC食&メガビタミン。

料理は電子レンジ調理・時短料理オンリー。

築50年超の生家でサバイバル中。。。