「これ以上競争しろと言うのか」
「格差が広がったらどうする」
そんな声が聞こえてきそうだ。
でも、その前に読んでみて欲しい。
刊行は何と昭和62年。
平成時代、「失われた30年」よりも前に行われた対談本だ。
それなのに今の令和の時代を見通している。
日本国内で見ると、問題になっているのは、いわゆる四Kといわれるものです。教育、国鉄(JR)、米、健康保険。 この四つの共通点は、競争を排除していることです。本当は競争がないわけじゃない。だが、少なくとも当事者たちは競争がないと思ってきたんですね。
確かにそうだ。
公務員な学校の先生よりも、予備校や塾の先生の授業の方が面白い。
運送についてはJR より宅急便の方が繁盛してるし、電車料金は長期デフレが続いても下がらない。
農家は農協がガッチリ囲いこんでいる。
医者は新型コロナで焼け太りだ。
予言もすごいけど、むしろ30年たっても何も変わってないニッポンに驚く。
令和時代の日本は競争を避けてもいる。
JTC(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)は徹底してリスクを避ける。
だから海外市場へ打って出ることもない。
人口減少で縮小する国内市場だけで顧客を奪い合う。
優秀な社員でも会社内での出世というネガティブゲームに追われている。
数年ごとに全く別の部署へ異動するので「永遠の素人」。
これでは海外のプロフェッショナルに勝てるわけがない。
だから、なるべくリスクを取らずに面倒なことは下請けや派遣・非正規社員に押しつける。
新型コロナウイルスや東京オリンピックのような利権に群がり、公金チューチューして中抜きするしかない。
この辺りは橘玲さんの本に詳しい。
「競争の原理」では「投票民主主義」が既得権を擁護する方へ働いてしまうことも指摘されている。
これも予言?
確かに新型コロナのワクチン接種では、エッセンシャルワーカーよりも高齢者優先だった。
平成が団塊の世代の雇用を守るための30年だったとしたら、これからの令和前半は団塊世代の年金や医療費を守るための20年になる、という話もある。
日本は長時間労働なのに生産性が低いため日本人の賃金はいつまでたっても上がらない。
それもこれも全ては競争を排除して競争を避けてきたからだ。
「競争の原理」は古い本のせいか電子書籍化されてない。
ぜひkindle化してほしい。
渡部昇一さんの本ではこちらもおすすめ。
【プロフィール】
自称セミリタイア・節約系FIRE民。
健康優良寝そべり族。
家でごろごろしていたい。
街をぶらぶらしていたい。
健やかにだらだらしたい。
寝そべりながら本を読みマンガを読む。
自転車通勤を卒業して「歩く人」へ。
睡眠重視のロングスリーパー。
食事は
肉卵チーズのMEC食&メガビタミン。
料理は電子レンジ調理・時短料理。
親が遺してくれた生家に籠城中。。。