らくだのライフハック

猫のように丸くなって暮らしたい

─セミリタイアして本とマンガの日々─

【私と街たち(ほぼ自伝)/吉本ばなな】街は小さな呪術に満ちていたし、言葉にできない法則があった。

 

表紙の写真がインパクト ありすぎ――。

子供の頃のばななさんが公園の遊具からぴょこんと 顔を出している。

右目には、眼帯、じゃなくてバンソウコウ。

なんてことない写真のはずなのに妙にパンクだ。

奈良美智さんが描く女の子みたい――。

なんか、いきなりばななさんの結界に引きずりこまれた。

この人は同じ街や同じ人を見ていても、自分とは全く違う風景を見て全く違う人を見ているんじゃないか。

あからさまにレイヤーが違う。

観察力・感受性の格差ありすぎ――。

黄金期に対する未練だとか、身辺をすっきりさせたい欲だとか、これまでそこに注いできた時間だとか手間だとかお金だとか、生きる自由をはばむいちばんのネックは本人のそんな感情だ。こだわりだけが自由を殺し続ける。

そのことさえわかっていれば、あとはもう、熟れていく時間を眺めながらお茶でも飲んでるのがいちばん。 できごとは勝手に向こうからやってくる。それを拒むか、流れに乗って冒険の旅に出るかを決めるのは、自分だけだ。

あいかわらず、ばななワールド全開――。

わざわざ自分のために言ってくれたように錯覚しそうだ。

 

前から言ってるけど、ばななさんの小説やエッセイは「おばあちゃん智惠」的なものに満ち満ちていて、下手なビジネス本やハウツー本を読むよりもハイレベルなライフハックを得られる。

赤ちゃんはただ寝てるだけなので、幸せに見てればいい。出かけるときは持っていけばいい。腹が減ったなら乳を出せばいい。なんて楽な! これぞ人生だと思った。
いじくりまわさなければ、生も死もとてもシンプルなのだと。人生であれほど合理的なシステムを体験したことがなかった。とにかく赤ちゃんを体につけておけばいいのだから。わざわざ預けたり、乳を作るために哺乳瓶を消毒したり、そういうのはあらゆる角度からつまりはほぼ売りたい側の経済の問題である。
人類はお金のためにその合理的なシステムを手放したのだ。


う~ん。

やたらと 金を使っていじくり回してこじらせてばかりだ。

「やらないよりはやったほうが良いこと」ばかりやって自分で自分の首をしめてる。

 

特に今の世の中は、デジタルトランスフォーメーションのせいなのか、グローバル化のせいなのか、高度資本主義社会のせいなのか、やたらと複雑すぎる社会に疲れきってるので、よけいに身に染みた。

吉本ばななさんは高度資本主義社会におけるヒーラーなのかも――。


検索してみたらまだ読んでない作品がぽつぽつあった。

次はこれかな――。

 

 

【プロフィール】
サイドFIRE(セミリタイア)目指す寝そべり族。
寝そべりながら年100冊の本を読み(Kindle書籍読み上げで耳活)年2,000冊のマンガを読む。
片道一時間の自転車通勤は10年を突破。
食事は肉・卵・チーズのMEC食。
調理はレンチン一択。
水出しコーヒーとグリーンズフリー(ノンアル)を愛飲中。。。