作者の言葉によれば「雑煮本」あるいは「闇ナベ」だ――。
もうデビューしてから10年たつみたいだけど、その間にあちこちで描いた短編漫画やイラストやコラムを集めたのが本書。
もともと単行本のあとがきでテンション高い日常生活を見せてくれていた作者だけど、そのフェチっぷりはここまですごかったのかと改めて驚かされる。
この「あとがき」を真っ先に読むファンも多いはず。
なら、この本がおもしろくないはずがない。
バニーのユニフォームにイギリスのメイド服に中央アジアの衣装――。
中でもすごかったのは「ヴィクトリア朝のコルセット」やヨーロッパの「暖炉」について、それぞれ数ページにわたって描かれたもので、もうギチギチに絵と文章が詰めこまれている。
これはもう民俗学とか文化人類学と言っても良いレベルじゃないか?
ぜひ、読んでみて欲しい。
それにしても楽しそうな作者だ。
ファンにはお馴染みだけど、ハアハア言いながら、時には鼻血を流しながら、好きなものを好きなように描いていく自画像は巻末あとがきではすっかり定番になった。
「やっぱり私生きてる!」と叫びながら――。
これだけ楽しそうだと、見ているこっちも、つい顔がゆるんでくる。
この頃は、一生懸命がんばってはいても、いつも不機嫌な顔をしている人が多いから、余計そう思うのかもしれない。
連載の続きが読みたいのはもちろんだけど、3年おき、いや5年おきでもいいから、このような雑煮本、闇ナベ本を読みたいなぁ。
ちなみに、こちらは連載もの最新巻――。
【プロフィール】
サイドFIRE(セミリタイア)目指す寝そべり族。
寝そべりながら年100冊の本を読み(Kindle書籍読み上げで耳活)年2,000冊のマンガを読む。
片道一時間の自転車通勤は10年を突破。
食事は肉・卵・チーズのMEC食。
調理はレンチン一択。
水出しコーヒーとグリーンズフリー(ノンアル)を愛飲中。。。