らくだのライフハック

猫のように丸くなって暮らしたい

─セミリタイアして本とマンガの日々─

【岳】また  おいでよ。元気になったらさ、また、山においでよ。


再読だけどやっぱり良い。霧が晴れた気分になった。

岳(1) (ビッグコミックス)

岳(1) (ビッグコミックス)

 

 

主人公の三歩は世界中の山を登ったクライマー。

今は日本の北アルプスでレスキューをやっている。

ちょっとアホっぽい天然で、だけど本当は天才なことを周りの人達はみんな知ってる。

 

もっとすごいのは、この三歩、いつも上機嫌なのだ。

全巻通して読んでみても、三歩が不機嫌になったり感情的になったりするシーンは全く出てこない。

とにかく山が好きで仕方がないのだ。

ああ、こんな人が職場にいたらいったいどれほど救われるだろうか……。


人は自分と正反対の人に惹かれてしまうもので、おそらく自分が絶対やらなさそうなことを楽しんでる人間がいると思わず興味を惹かれてしまう。

自分の場合、それが登山でありクライマーたちなのだ。


それにしてもクライマーという人種はすごい。

特に、この三歩がすごいのだが――。

 

夏は山にテント、冬は簡単な山小屋を作って、そこに住んでいる。

垂直な壁のくぼみに座り、命綱のロープを張って、自分よりもデカく見える月を眺めて、ミノムシみたいに、そのまま眠りにつく。

なんて凄絶なシーンだろう。


最終巻で、三歩はエベレストの隣にある山ローツェに単独登攀し、その後、そのままエベレストに寄って無謀なレスキューに挑む。

最後に三歩の生死がどうなったのかは読者に委ねられる形で終わったけれど、生きていてほしい、死なないでほしいと強く願わずにはいられない。

岳(18) (ビッグコミックス)

岳(18) (ビッグコミックス)

 

 

三歩に影響を受けた周りの人達の、その後のエピソードで物語が終わるのも良かった。

 

日常的に行き詰まったりクサクサしたらまた読みたいなぁ。

さすがに山登りをやってみようとまでは思わないけど、山を眺めに山の麓に行ってみるのはアリかもなぁ。

 

最後に、この漫画で一番好きなシーンを――。

岳(11) (ビッグコミックス)

岳(11) (ビッグコミックス)

 

 

三歩は、あるクライマーを見舞いに行く。

彼は、かって山で遭難して三歩に救助された者だ。

もう二度と山に来る資格はありません、と言って運ばれていった。

その彼に向かって三歩は言う。

 

もしもね、

もしも山が嫌いじゃなかったら……

 

また  おいでよ

元気になったらさ、また山においでよ。

 

いい笑顔だなぁ……。

 

 

この作者はJazz漫画も描いていて、ファーストシーズンの日本編とセカンドシーズンのヨーロッパ編の途中まで読んだけれど、最近、ヨーロッパ編が終了してアメリカ編が始まった。

 

このJazz漫画も面白い。

三歩と同じく、突き抜けた天才が主人公だ。

これを機会に、日本編とヨーロッパ編を再読しよう。

 

日本編の第一巻とヨーロッパ編の最終巻、そしてアメリカ編の第一巻のリンクがこちら。

「岳」は読み終えてしまったけれど、まだまだ楽しみは続く――。

BLUE GIANT (1) (ビッグコミックススペシャル)

BLUE GIANT (1) (ビッグコミックススペシャル)

  • 作者:石塚 真一
  • 発売日: 2013/11/29
  • メディア: コミック
 
BLUE GIANT EXPLORER(1) (ビッグコミックス)

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【プロフィール】

年2,500冊の漫画を読み、年に100冊の本を電子書籍読み上げ機能で聞き、片道一時間の自転車通勤を続ける日々――。


のんびり暮らすライフスタイルと、がんばらないためのライフハックがテーマ!


・食事は、たんぱく質ファースト。糖質制限中。MEC食継続中。ボトル飲みでプロテイン&メガビタミン
・電子レンジの時短料理で自炊中
・服は制服化&コンフォート命!
・断捨離後、ミニマリスト
・歴史と地理とニュースの社会科好き!


これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
古武術介護
小笠原流礼法
・沈没バックパッカー外こもり?!)

 

 

人は自分と正反対の人に惹かれてしまうもので、おそらく自分が絶対やらなさそうなことを楽しんでる人間がいると思わず興味を惹かれてしまうのだ。


自分の場合、それが登山でありクライマーたちだ