今回はバンドものの漫画――。
読み始めてから、とまどった。「あれ、何かの続き?」と。
これは、もともと「空電ノイズの姫君」という似たようなタイトルで連載していたけれど、雑誌が休刊し移籍先がしばらく見つからずに宙ぶらりんになっていたものが再開されたものらしい。
だから別の出版社から単行本が出ている。 いろいろ大人の事情があるものだ。
ちなみに「ノイズ」の方は3巻まで出たらしい。
検索していたら「冬目景ファンは待つことに慣れている」などと書かれたブログも見かけて何ともいじらしいと目がウルった。
いまどきは出版社も漫画作者も漫画ファンもみんなみんな受難の時代だ……。
それはともかく「空電の姫君」 ――。
ぼよよんとしてるけど親譲りの超絶技巧ギタリストJK マオ。マオの親友であり、天使の歌声を持つミステリアスな美女のヨキコ。
この二人が一度壊れて再生しようとしているバンドに合流していく。
リボーンへの道は険しく、一度はライブハウスで観客4人ということもあった。
それでも彼・彼女たちは少しずつ前進していく。かってバンドメンバーであり亡くなってしまったボーカリストの意志を継ぐためにも。
と、こんな風に書くとシリアスな感じになってしまうけれど、冬目景のことだから、かなりゆるゆるとした雰囲気になっている。
これがロック なんですよねっ!
そうか!
そうなの?
そうかなー
あの「イエスタデイをうたって」 の独特の空気感、じれったさは健在でテンションは低目。
シリアスでもギャグでもなく、どうしようもなくフツー
で日常なエピソードの数々。しかしそれが、おいしい水のように心地よい。
こちらはイエスタデイの最終巻――。
売れないバンドのメンバーの日常はなぜかとても楽しそうで、ライブシーンで燃えているよりも、取り壊し寸前の一軒家を安く借りてバンドメンバーで合宿してるみたいに過ごすエピソードがとても良かった。
ヨキコが気まぐれで内装の壁を赤いペンキ(安売りしていたのだ)で塗ったり、 あまりに評判が悪かったので、もう一度、白ペンキで塗りなおしたり。
このバンドが売れまくってしまうシーンは想像つかないけれど、良い意味でのマイナー感は失わないでほしい。
既成のバンドで近いイメージを探すと「いきものがかり」な感じだろうか……。
冬目景のことだから、 頂点へ駆け上るってことはないだろうし、 あいかわらず男はヘタレで、女の子は雄々しい。
雑誌休刊や大人の事情に負けずにロングランとなってほしい。
最後に売れないバンド日常物ジャンル? で好きな作品はこちら――。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・楽天ポイ活
・積み立て投資