ファミリーレストランのサイゼリヤの話は時々耳にしていた。
とにかくコスパが高いらしく、イタリア人が「この値段でこのパスタが食べられるの か!」と驚いたらしい話や、徹底的に合理化を推進していて、キッチンには包丁がないって話も聞いた。
ちなみに、自分の場合、自炊生活を送っているのだが、この話に影響を受けて、家ではほとんど包丁を使わなくなった。すでに切ってある食材を選んだり、切らなくても良い料理をするようになったのである。
作者はイタリア料理では最高峰の三ツ星レストランで修業し、 日本へ帰国してからもミシュランから星をもらい続けるレストランを経営している。腕は超一流だ。
それでも経営には悩む。 ここが凄い、これだけ腕が良いと腕自慢にかまけて、経営など馬鹿にしがちなところだ。
そして、なんと経営や店の合理化を学ぶために、星をもらうようなシェフがサイゼリヤでバイトするわけだ。
なんとも思い切ったことをしたように思えるが、 これが作者言うところの「サバンナ思考」で危機感を持ち「マヨネーズ理論」で教えを乞うスタイルなのだ。
なぜサバンナでマヨネーズなのかは本書を読まれたい。
作者がここまでするサイゼリヤの仕事ぶりを読みたくてページをめくっていたが、なかなかサイゼリヤ厨房の話にならないのでじらされる。
本書の前半は作者の前半生、主にイタリアでの修業時代の話だった。
それでも、直属の上司であるシェフの一挙手一投足に注目し、呼吸さえも読むようになるまで模倣しつづけた作者の修業振りのすさまじさは面白かった。
厨房を回すための機械になりきる。 その大変さと面白さ。これって「バンビーノ」でもやっていたよなあ。
これだけ修業を積んでいて観察眼を磨きぬいていたからこそ、サイゼリヤでバイトして合理化や経営の神髄を吸収することが出来たのだろう。
作者の店は従業員が自らアイディアを出して活き活きと働き、ネット販売を立ち上げるなどしてこのコロナ禍も乗り切れそうとのこと。
残念ながら、サイゼリヤ厨房の合理化っぷりについての描写は思っていた よりも少なかった。まあ、 よく考えたら企業秘密だしね。
それでも、お皿を下げるときはどちらの手に何をもつか、シンクのどの辺に何を置くかまできっちりと決まっていて全部マニュアル化されているようだ。
サイゼリヤ合理化の秘密を知るには創業者の書いた本でも読んでみるしかなさそうだ。
作者のエネルギーはすさまじく、 宇宙食へも進出しており、いつかは宇宙にレストランを作るのが夢だそうな。圧倒される。
自分はと言えば、 とりあえずサイゼリヤへ行って、人気メニューのミラノ風ドリアでも食べてみようか、 などと思ったりした。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
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