- 作者: 大原扁理,fancomi
- 出版社/メーカー: 百万年書房
- 発売日: 2018/07/04
- メディア: 単行本
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著者は、若くして「隠居生活」を送っている。
介護の仕事で週二日働き、時々、臨時のバイトをしたりして、年収は100万円。
仮想通貨したりと言う特殊能力は無し。
国分寺市で、家賃28,000円のアパートに住んでいる。
「お金の話」ではあるけれど、実際は「ライフスタイルの話」だ。
お金を使わない生活を送り、その分、無理して稼がなくて良い。
働かなくて良い分、余暇の時間が多い。
余暇の時間が多い分、ストレスは減る。
だけど、世間体は悪くなるし、消費の楽しみは少なくなる。
お金を使わずに生活する人の本は何度か読んだことがあるけれど、資本経済社会に疑問を持ち、理想を追求するために、実験的な生活を送る、意識高い系の人がほとんどだった気がする。
後は、「年収○○万円で暮らす」系の人たちの本も何冊かある。
こちらは節約ゲームがメインだったようなーー。
著者が、こういった人たちとちがうのは、無理せず自然体な所で、「つらい場所から逃げ出す」、「やりたくないことから逃げる」ことからスタートして、淡々と生活のマイナーチェンジを繰り返していたら、現在のライフスタイルに辿り着いた所だ。
読んでいて、全く無理が感じられないのも珍しい。
絶妙のバランス感覚だ。
例えば、著者は、玄米中心のマクロビっぽい食生活を送ってるけど、特に健康を考えてではなくて、肉を料理したあとの油汚れを落とすのが面倒だったりと言ういくつかの理由でフェイドアウトしていった結果、こうなっている。
主義でやってるわけじゃ無いので、外食の時は普通に食べたりしているのだ。
著者に共感するのは、「夢や目標がない」がないことだ。
しかも、それをポジティブにとらえている。
寄り道も出来るし、急に進路を変えることも出来る。
のんびりと道中を楽しむことができるのだ。
ゴールに向かってまっしぐらな人にはできない芸当だ。
もう一つ共感するのは、著者が、一人でいるのが好きなこと。
お金を使わない生活、働かない生活を送る人には、お金に替わるものとして、人との繋がりを重視している人が多い。
シェアハウスに住んでいたり、ネットを通じてネットワークを作っていたりーー。
普通に仕事してるはずの自分よりも、よっぽど社交的だったりして、だからかなのか、そういう人に憧れはするものの、自分には無理だ、と思ってしまう。
コミュ力で金を使わずにすませる芸当よりも、まだ、サラリーマン生活の方が楽だと思ってしまうクチなのだ。
そんな著者は、現在、台湾在住で、トラベルライターの仕事をしている。
ステージⅡ、海外隠居生活って訳だ。
主義主張に縛られずに融通無碍なところも著者らしいのである。
カテゴリー紹介 #ライフスタイル
ネコのように丸くなって暮らしたい……。
特別な夢や本当にやりたいことは無いけれど、ストレスフリーで快適な毎日を過ごしたい。
人混みと満員電車と行列と渋滞と人づきあいが苦手で、インドア&地元で過ごしがち。
最近は、読書しながら旅でもしようか、ともくろんでいる。
年300万円で、コストのかからない「健康で文化的な最低限度の生活」を目指して試行錯誤中。