自分には全くできないか全くやろうとしないけれど、漫画だとつい読んでしまうジャンルというのがある。
そのうちの一つが将棋だ。かろうじて駒の並べ方ぐらいはわかるけど、駒の動かし方になると甚だ怪しい。いや並べ方だってかなり怪しい。時々、飛車と角と、どっちがどっちだか分からなくなることだってある。
そんな情けない自分ではあるけれど将棋漫画はとても面白い。今回読んだのはこの作品。
第1巻から第8巻まで一気読みした。幸せな気分に浸る。
主人公は小学生の男の子。そして、シングルマザー? のママ。男はプロへの登竜門、奨励会に入る手前の頃。まだ好きなことが辛くなる前の時代で、自分の才能との葛藤も無いほのぼのとした頃だ(最もそれなりに悩みはあるけど)。
そして息子につられて棋を少しずつ覚えていくママ。大会にだって出てしまうのである。しかも団体戦。作品中、「銀は後ろに行けませんよ」と先生に指摘されるシーンがあって、そうだったっけ? と思わずぎくりとしてしまった。共感を覚える。
作品の中に、自分の好きな将棋漫画について語るシーンがあって、自分がまだ読んでいない作品もあったりして、つい色々検索してしまった。
ハチワンダイバー、完結してたんだなあ。
ハチワンダイバー 35 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 柴田ヨクサル
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/08/20
- メディア: Kindle版
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核戦争が終わった後は、将棋が一番強いやつが世界を統べると言う鬼将会のぶっ飛んだ理念にしびれたっけ。再読&ラストまで一気読みしよう。
3月のライオンはまだ完結してないようだ。
圧倒的な才能を持つ人間の前に無力な自分。それでいて自分には将棋しかないことを誰よりもよく分かっている自分。常にギリギリのところで自分に向かい合っているのを見ているのは、ちょっと辛くなることがある。
将棋つながりで、初めて第1巻を読んでみたのはこちら。タイトルにもあるとおり、プロになることができなかった元奨励会の男がアマチュアが世界からプロ入りを目指そうとする、リボーンしようとするストーリーだ。
第1巻から、いきなり、親の反対で奨励会に入ることすらできなかったアマチュア王者と激突する。元奨と奨励会以前。嫌でも意識せざるを得ない。こちらは近々第4巻が出版される。読んでくのが楽しみだ。
以前読んだ作品で、殺人事件がらみで声が出なくなった女の子が主人公の漫画を思いだした。将棋とミステリー、ダブル風味の作品。主人公が筆談なので無音のシーンが多くて不思議な雰囲気の漫画だった。
読んだことのある将棋漫画のことを思い出していたら、おそらく一番古いであろう、この作品のことも思い出した。
昔の頃から将棋漫画好きだったんだなぁ。作者は将棋が本格的に強い人らしくて、色々な棋譜も載っていたけれど、読んでる自分はさっぱり将棋を覚えなかった。
こんなに将棋に才能が無いのに、将棋漫画が好きでしょうがないのは、自分にないものに惹かれるということだろうか。
でも、将棋って、○○戦法とか、○○システムとか、○○ワクチンとか、果ては○○キックとか、必殺技の名前が面白い。
主人公が見開きページで必殺技の名前を大声で叫ぶと相手が倒れているというのは、少年ジャンプ系少年漫画の王道かもしれない。
ちなみに一番好きなネーミングは「ゴキゲン中飛車」だ。
最後に、将棋漫画でまだ読んでなかったと気付いた作品がこちら。
この作者の別の作品がすごく好きだった。
将棋漫画をいつのまにか描いていたのか。好きな作家が好きなジャンルの漫画を描いていた。こんなに嬉しいことはない。
まだ読んでいない将棋漫画は、まだまだたくさんあるようで、しばらくを読みたい漫画に困ることはなさそうだ。