らくだのライフハック

猫のように丸くなって暮らしたい

─セミリタイアして本とマンガの日々─

【永き黄昏の時代】10分1200円の床屋でご近所の高齢社会を思う。

昨日の土曜日の夕方にスーパーに買い物に行った。

 

スーパーの一角に10分1200円の床屋がある。いつも人が並んで座っているんだけれど、この時は一人もいなかった。

 

店に入って券売機に金を入れる。

 

元々10分1000円の床屋だったけれど今年になってから1200円に値上げした。

 

 

小さく張り紙がしてあって、お昼から夕方にかけては一人体制なので待たせてしまうかもしれないというようなことが書いてあった。

 

いつ見ても人が並んでいるような繁盛してる店だと思ったけれど、経営というものは大変なものらしい。

 

座ってスマホを取り出したところ、もうひとりの店員から声をかけられた。ちょうど2人体制が始まるところだったらしい。

 

席に座ってみると店員は50台と思しき女性だった。この店には何度も通っているけれど初めて見る顔だった。

 

女性の理容師は別に珍しくないし、実際、もう一人の理容師だって女性だ。こちらは20台ぐらい。

 

年配の女性の理容師は珍しいなぁと思いながら頭を刈られた。

 

けれども、どう見ても初心者臭い。

 

手際が悪くてもたついているし、何よりくしを入れるたびに頭にコツンコツンと当たる。文句を言うほどではないけれど、たまに耳をかすると、ちょっと痛かった。

 

もう一人の店員は、たまに、こちらをちらちらと様子を伺っている。自分の分が先に終わると、こちらにやってきて、さりげなく指示したり、後片付けを一緒に手伝ったりした。

 

まあ10分1200円の床屋だしね、と思いながら店を出る。

 

それでもちょっと不思議に思う。あの年代で初心者ってどういうことなんだろう。一旦辞めていたけれど復帰したんだろうか?

 

それなりに流行っている店だと思うんだけどなぁ。だからこその人材不足なのか?

 

高齢化による人材不足の波がいよいよ近所にやってきたような気がした。

 

ごく普通の郊外都市のベッドタウンに住んでいて、ごく普通の住宅街だと思っていた。

 

それでも気がつけば近所には空き家が増えているし昔からあった個人商店はほぼ全滅に近くなっている。

 

チェーン店でも結構繁盛してるはずなのに、ある日突然店が閉まっていたりする。ショッピングコートなのにシャッターが閉まりっぱなしの店もあったりする。

 

くだんの床屋は、まだ店が続いているだけマシな方なのかもしれない。

 

高齢化で人材不足になってサービスが低下していく。生活圏内にある店がどんどん閉まっていく。道を歩けば高齢者ドライバーが危なっかしい運転をしている。

 

日本は高齢者社会になりますということは、それこそ何十年も前から言われ続けていたことだけど、実際に高齢者社会になると、こんな風になるとイメージできた人は誰もいなかったんじゃないだろうか。

 

漫画版のナウシカじゃないけど、永き黄昏の時代を生きていくことになりそうだ。

 

 

風の谷のナウシカ 7

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