吉本ばななさんのエッセイはおばあちゃんの知恵のようにじんわりと心に染みてくる。
ビジネス 本や ハウツー本 なんかより、よっぽどキク。
今回は最新刊の第4巻を読んだ。
やっぱり素晴らしい。
てなわけで、4巻→3巻→2巻→1巻と逆順で読み返してしまった。
自分の場合、お気に入りのシリーズではよくこういう読み方をする。
ところで、4巻で一番良かった箇所はこちら――。
その夏、オレのような社会不適合者がちゃんと生きていけるライフスタイルというものに、ギリシャのミコノス島に旅をして生まれて初めて出会った。
(略)
そのライフスタイルというのは、夜はほぼ寝ない、明け方に寝てゆっくり起きる、 仕事をしたり水辺 (海もしくはプール)に行く。朝昼はほぼ抜いて、夜に白身の魚を食べる。夕方になったらずるずると着替えて街に出てとりあえず一杯飲む!! 仕事は その合間にする、という「甘い生活」という映画もびっくりの甘いものなのだが、こ んなことできるわけないだろうと思っていたら、バカンスの間だけだとしても中の 全員が同じような考えで生きている場所に出会い、こんなことがありうるんだ、こう生きたい人はこの世にいたんだ、と思ったのである。
日本では、どのようなライフスタイルが正しいのかTwitter 上で議論されたりしてるけど、海外に目を向けると、とても優雅な生活をさっさと実行してる人たちがいるのだ。
続いて読み返した第3巻から――。
ディナーの前の日暮れに毎日スプマンテを一杯だけ飲んでいるから私は長生きして いるのと言っていた大金持ちの八十代のご婦人のキラキラ光る瞳。
トスカーナの田舎町の美しい田園風景の中で陽が傾くといきなりバールに集まりワインにブルスケッタを食べだすおじいさんたち。
カプリ島の崖っぷちのカフェで優雅にカクテルを飲みながらオリーブをつまみ風に吹かれるカップルたち。
スプマンテ っていうのは、イタリア産のスパークリングワインのこと。
しみじみと優雅……。
ここまでスタイリッシュじゃなくていいから、夕日を眺めながらビールを飲むような毎日を送ってみたい。
(現在アルコールフリーだけど、このためなら また飲み始めても良さそう)
吉本ばななさんのエッセイを読んでいると、ハウツーやノウハウと、人生の智惠とは全く別次元のものだと思わされる。
最新刊が出るたびに、シリーズを読み返しそうだ。
【プロフィール】
サイドFIRE(セミリタイア)目指す寝そべり族。
寝そべりながら年100冊の本を読み(Kindle書籍読み上げで耳活)年2,000冊のマンガを読む。
片道一時間の自転車通勤は10年を突破。
食事は肉・卵・チーズのMEC食。
調理はレンチン一択。
水出しコーヒーとグリーンズフリー(ノンアル)を愛飲中。。。