負けたら 滅亡
日本史と世界史がつながる 最強 18バトル
本書は2022年3月に刊行された。
あとがきを読む限り、作者はロシアのウクライナ侵攻をかなり意識している。
学校の教科書は、「いじめはいけません」「 戦争はいけません」と教えてくれますが 、いじめられたら どう戦うのか、攻め込まれたら どう戦うのか、について教えてくれません。
18 バトルがペルシア vs アテネで始まっているのも偶然ではないだろう。
専制主義で独裁国家のペルシアを、自由民主主義の都市国家アテネが打ち破る。
この歴史に現代の理想を見ているのではないか――。
意外なのは、ヤマトVS隋帝国で、厩戸皇子や遣隋使・小野妹子の活躍がフィーチャーされている。
有名な「日出る処の天子……」のアレだ。
これは外交戦の勝利として取り上げられたものだろう。
戦争に突入する前に外交戦でケリをつける。
これも 現代の理想のひとつだ。
本書のもうひとつの特色は、世界史と日本史が繋がっているのだということを分かりやすく教えてくれることだ。
フランス革命の精神が、日本とロシアに伝わって、それぞれ幕末維新やロシア革命が起こるのだが、両者が激突した日露戦争では、覚醒が早かった日本が勝利を得た構図になっている、などなど。
「バトルマンガで歴史が超わかる本」は、タイトルに「バトルマンガ」とあるように、とてもわかりやすく、しかも おもしろく、世界史と日本史を学べる本だけど、同時に とても過激な本でもある。
いじめは 国と国との関係でも起こります。
たとえ 小さな国でも、独立と自由のために武器をとって戦う姿勢を見せれば、まわりの国々から尊敬されます。
「戦争はいけません」というお説教を百万回するより、「攻め込まれたらこう戦え」と1回でも教えたほうが、戦争の防止には、はるかに役に立つと思います。
作者の主張には賛否両論あると思うけど無視はできない。
どんな綺麗事を言ったところで、一方的に戦争を仕掛けてくる国が実在するということ、そしてその国が 隣国であることを私たちは知ってしまったのだから――。
作者の茂木 誠さんは、予備校講師 兼ユーチューバーで、地政学 についての本も出版されている。
本書に続いて、こちらの本なども読んでみるつもりだ。
【プロフィール】
サイドFIRE(セミリタイア)目指す寝そべり族。
寝そべりながら年100冊の本を読み(Kindle書籍読み上げで耳活)年2,000冊のマンガを読む。
片道一時間の自転車通勤は10年を突破。
食事は肉・卵・チーズのMEC食。
調理はレンチン一択。
水出しコーヒーとグリーンズフリー(ノンアル)を愛飲中。。。