らくだのライフハック

猫のように丸くなって暮らしたい

─セミリタイアして本とマンガの日々─

【学校に行けなかった中学生が漫画家になるまで】同じ傷がある人に自分の治った傷を見せて夢を分けられるエンターテイナーになりたいんだ!


世の中には知られていない病気がまだたくさんあって、運悪くそんな病気にかかってしまった人の気持ちを理解することは難しい――。

作者の月本千景さんは起立性調節障害という病気だ。

この病気は立っている時の血圧の調整が上手くいかなくなる病気で、めまいや動悸がしてしまうため、朝どうしても起きられなかったり、気持ち悪くて動けずに遅刻してしまったりする。

 

周りからはサボっている、怠けていると思われがちだ。

病弱PR?  と陰口たたかれたり、もっとわかりやすい重い病気だったら良かったのにと考えてしまう自分に自己嫌悪になったり、こんなんで将来大丈夫なのかと悩んでしまったりする。

おまけに、ウツを併発してリストカット寸前までいってしまう。

 

作者は漫画を描いていくこと、自分の将来に希望を持ち、同じような病気で悩んでいる人たちの助けになればと願うようになる。

 


この漫画には、二人の対照的な編集者が登場する。

 

一人は、病気のため普通の学校生活を送れなかった作者に対して、大丈夫か、学園ものが描けるのか?  と危ぶむ声を投げつける。

 

もう一人は、病気の経験は作者にしか描けない、作者にしか描けない感情が描けるよ、と背中を押す。

 

もちろん後者の編集者でおかげで作者はデビューするわけだけど、出会う人によって大きく人生が枝分かれしていくのは見ていてちょっと怖くなる。

いい人に出会えて良かったなぁ、の一言だ。


この編集者さんには、もう一つ良いシーンがあって――。

作者「(病気の事を描くと)すごく暗くなると思いますよ」

良い編集者「妖精でも出してみれば」

て場面。

 

だからと言うわけじゃないけど、この漫画で作者はネコとして表現されている。

これは絶妙なアイデアだった。

もし普通の人間として描かれていたら、確かに暗すぎる話だし、あまりにも痛々しくて読むのが辛くなったと思う。

 


今の作者はストーリー漫画を執筆中とのこと。

いつか読むのが楽しみだ。

Twitter でも活躍中――。

 

 

【プロフィール】
サイドFIRE(セミリタイア)目指す寝そべり族。
寝そべりながら年100冊の本を読み(Kindle書籍読み上げで耳活)年2,000冊のマンガを読む。
片道一時間の自転車通勤は10年を突破。
食事は肉・卵・チーズのMEC食。
調理はレンチン一択。
水出しコーヒーとグリーンズフリー(ノンアル)を愛飲中。。。