このような先が見えないときこそ必要なのは、正規軍の戦い方ではなく、状況に応じて臨機応変に戦術を変える、「ゲリラ」の戦い方なのである。
「僕は君たちに武器を配りたい」は2011年に刊行された。
東日本大震災が起こった後。
もう10年以上も前だ。
あれから日本を取り巻く状況はますます悪くなっている。
不景気は一向に回復の兆しを見せない。
おまけにロシアはウクライナへ侵攻している、ときた。
世界は混乱していて先行きは不透明――。
ではどうすれば良いか?
作者の主張は明快だ。
それは「コモディティになるな! 」と言うこと。
コモディティ(commodity) とは英語で石鹸や歯ブラシなどの「日用品」を指すときによく使われる言葉だが、経済学や投資の世界ではちょっと違う意味で使われる。
市場に出回っている商品が、個性を失ってしまい、消費者にとってみればどのメーカーのどの商品を買っても大差がない状態。それを「コモディティ化」と呼ぶ。
ひたすら、他者との差別化を図れ! と言うことだ。
これができない人間は、たとえ高学歴でも、資格を持っていても、勉強していても、熱心に仕事をしていてもダメなのだ。
グローバルな資本主義社会というものは何て過酷なんだろう……。
逆に言えば、それさえ出来さえすれば頭一つ抜きん出ることができる。
う~ん。
恐ろしいのは、「僕は君たちに武器を配りたい」は若者向けに書かれた本だけど、ここに書かれていることは若者だけでなく中高年をも直撃することだ。
しかも中高年には武器を配ってくれる人はいないわけで……。
不安になった人はこちらも読んでみよう。
もともと「戦略がすべて」がおもしろかったので「僕は君たちに武器を配りたい」を読んだのだ。
この作者の本はもう何冊か読んで行こうと思っている。
新型コロナウィルスの影響でリモートワークでも十分にやっていけることが分かってしまったし、ジョブ型雇用もいつのまにかひっそりと始まっているようだし、45歳定年説がニュースにもなっている。
日本社会の年功序列も、いよいよ本格的に崩れていきそうだ。
最後に意外だった事を一つ――。
「僕は君たちに武器を配りたい」では最後の最後に、教養(リベラル・アーツ)の重要性を説いている。
「奴隷の勉強」ではなく「自由になるための教養」をとまで言っている。
教養と言うと、すぐには役に立たないものの代名詞のような気がしていたので、とても意外だった。
そういえば、わりと最近読んだ「金儲け」についての本でも教養の大切さをうたっていた。
古臭いイメージのあった「教養」だけど、実は古くて新しい武器なのかもしれない。
「僕は君たちに武器を配りたい」に続いて、現在はこの本を読み始めている。
「不条理な会社人生から自由になれる」「昭和と平成の常識をぶち壊し、生き延びるためのバイブル」がキャッチフレーズだ。
はたして自分は、この無理ゲー社会・ディストピア世界をサバイバルできるだろうか、ゲリラ戦で勝ち抜いていけるだろうか……。
【プロフィール】
サイドFIRE(セミリタイア)目指す寝そべり族。
寝そべりながら年100冊の本を読み(Kindle書籍読み上げで耳活)年2,000冊のマンガを読む。
片道一時間の自転車通勤は10年を突破。
食事は肉・卵・チーズのMEC食。
調理はレンチン一択。
水出しコーヒーとグリーンズフリー(ノンアル)を愛飲中。。。