らくだのライフハック

猫のように丸くなって暮らしたい

─セミリタイアして本とマンガの日々─

【チョンキンマンションのボスは知っている】怪しげな異邦人たちのユルいアングラ経済


かっての九龍城のように怪しげな雑居ビル、チョンキンマンション(香港)。

本書はチョンキンマンションに集うタンザニア人たちのアングラ経済を調査したものだ。

作者は文化人類学者なので、「贈与」とか「シェアリング経済」なんて言葉がよく飛び出すけれど、読んでいるとちょっと違うような気がした。

 

タンザニア人達は陽気で楽天家。

香港では、男はブローカー、女はセックスワーカーなことが多い。

金儲けのために生きてるようなことを言いながら、時間は守らないし気分次第だし、けっこう裏切るし、裏切られてもまたなんとなく仲直りしてしまうし。

タンザニア人の誰かが困っている時にはクラウドファンディングでカンパしたりもするけど、基本的には人におごると気分がいいから、てのが正解のようだ。


作者はふと考える。

外国で困っている時に、日本人の同胞が助けてくれるかどうか?

たぶん助けてくれるだろう。

でも、なんでそんなことになったのかとかしつこく聞かれたり、中には自己責任だという人もいるだろう、と感じてしまう。

思わず激しく同意してしまった。

日本人同士だったら、助けてくれるかもしれないけど、思いっきり説教されそうな気がする。

「人様に迷惑だけはかけるんじゃないよ」と言われて育った日本人と、持ちつ持たれつのタンザニア人。

これは国民性の違いによるものなんだろうか?


ちなみにタンザニア人たちから見ると、日本人は、なぜ真面目に働かない、と言って怒り、香港人は儲けが少ない、と言って怒るらしい。

これには笑ってしまった。

がんばる過程が大事な日本人と、儲かる成果が大事な香港人か。


舞台となるチョンキンマンションを検索してみると、深夜特急の旅で沢木耕太郎さんが訪れたところだった。

読んだことあるのにすっかり忘れていた。

 

そして、やっぱりチョンキンマンションは現代の九龍城などと呼ばれていたことがあったのだ。

もっとも最近はすっかりクリーンになってしまって、怪しげな雰囲気は無くなってしまったらしい。

ちょっと残念。

怪しげな雰囲気の九龍城やチョンキンマンション、行ってみたかったな。

せいぜいフィクションの中で楽しむことにしよう。


本書を読んでから、日本人はもうちょっといいかげんでもいいんじゃないかと思うようになった。

自分がいいかげんだと分かっているから、他人のいいかげんさも許せる。

真面目で他人に迷惑かけなくても、いつも不機嫌でいる人よりはよっぽど良い――。


次は同じ作者のこの作品を読むつもり。

魅惑的なタイトルだな(笑)。

 

 

【プロフィール】

 

年2,500冊の漫画を読み、年に100冊の本を電子書籍読み上げ機能で聞き、片道一時間の自転車通勤を続ける日々――。

 

 

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