らくだのライフハック

猫のように丸くなって暮らしたい

─セミリタイアして本とマンガの日々─

【ノマド】スタバでMacBook使ってる「ノマド」じゃなくて、高齢低所得者「ワーキャンパー」のシャレにならないサバイバル


どうも「ノマド」と聞くと、スタバあたりでMacBook のキーボードを叩いている人をイメージしてしまう。

デジタルでネットと親和性が高い仕事をしていて、お金の投資にも、自己啓発への投資にも余念がない。

でも、この「ノマド」は……。

この本はアメリカで車上生活をしている人たちのノンフィクションだ。

話題になった映画の原作でもある。

 

 

どうも「ノマド」と呼ぶよりは、本書でもよく使われている「ワーキャンパー」という言葉がふさわしい。

断捨離して、モノを減らして、ミニマリストになって、ついでに家も断捨離してしまった、てのとは、かなり違う。

新しいライフスタイルを創造しよう、てのは後付けの理由。

 

低所得になってしまい、家に住む事が出来なくなったと言う厳しい現実が立ちはだかる。

高学歴で高所得の仕事についていたけれど、リーマンショックでワーキャンパーになったって人も多い。


そして意外だったのは、ワーキャンパーに高齢者が多いことだ。

親が車上生活を始めると子供に報告した時、子供は親を応援して、スマホの代金だけは家族割でウチが持つからね、と送り出す。

日本人の感覚からすると、ちょっと信じられない。

日本だったら、「世間体が悪いからやめろ」とか、「仕送りするから」て方向に話が進むのではないだろうか。


だいたい、さらに年を取って、車の運転も危なくなったらどうなるんだろうか。

アメリカは暴走老人であふれてしまうのか?

さすがは幌馬車に乗って開拓をして来た人たちの子孫だ。


さらに驚くのは、こうしたワーキャンパーがの多くが、季節労働者となって、クリスマスシーズンには、Amazon のような巨大倉庫で働くことだ。

倉庫を走り回る過酷な仕事を高齢者がやるって事自体びっくりする。

本書でも紹介されていたように、1日に歩く距離はハーフマラソン並みになるのだ。

 

しかも、雇用する側も高齢者を歓迎するそうな。

若者よりも、高齢者の方が、ペース配分を考えて働くので、長い目で見れば仕事ができるのだそう。

ホンマかいな……。

 

このため、企業側もワーキャンパーに対して、大規模駐車場やキャンプ場を提供する。

繁忙期が過ぎれば解雇できる季節労働者は企業側としてもありがたい存在。

 

ネットやスマホの発達も、この流れを推し進めている。

ワーキャンパー側はスマホのアプリで、雇用先や駐車場の情報を簡単に仕入れることが出来るのだ。

 

かくして、車上生活者で高齢者な人たちが季節労働者となって、大規模倉庫を渡り歩く、大陸を大移動することになる。

なんだか、高度資本主義経済にがっちり組みこまれてる。

ノマド」の言葉から来るイメージがガラガラと崩れていくようだ。

 

もちろん、ワーキャンパー達も、自給自足的な生活をするなど、様々なチャレンジをしているし、ネットを通じて情報交換したり、コミュニティ(作者は"トライブ"と表現)を作ったりもする。

しかし、たくましさは感じさせるものの、新しいライフスタイルを感じさせるようなものではなかった。

クリエイティブよりも、サバイバル臭が濃厚に漂う。

 

日本でも、車上生活者は増えているようで、体験漫画を読んだりもしているのだが、まだ、状況がアメリカほど切迫していない。

 

 

自分も、電動で軽自動車のキャンピングカーが発売されるようになったら、バンライフもアリかなぁ、などと気楽に考えてたクチ。

ちょっと、目が覚めた。

車中泊に憧れてる人は、実行に移す前に読んでおくべき!

 

 

【プロフィール】

 

年2,500冊の漫画を読み、年に100冊の本を電子書籍読み上げ機能で聞き、片道一時間の自転車通勤を続ける日々――。

 

 

のんびり暮らすライフスタイルと、がんばらないためのライフハックがテーマ!

 

 

・食事は、たんぱく質ファースト。糖質制限中。MEC食継続中。ボトル飲みでプロテイン&メガビタミン

・電子レンジの時短料理で自炊中

・服は制服化&コンフォート命!

・断捨離後、ミニマリスト

・歴史と地理とニュースの社会科好き!

 

 

これから、やりたいこと――。

・英語で読み書き

古武術介護

小笠原流礼法

・沈没バックパッカー外こもり?!)