今回読んだコミックエッセイは介護がテーマ――。
↑ 今ならKindle unlimited 読み放題で読める。
作者はベテラン漫画家だけど仕事がなくなってしまい介護の仕事をするようになった。
そして介護の現場についてのコミックエッセイを描くに至る。
取材ではなく作家自身が現場で働いているので説得力がハンパない。
もともと、介護の仕事って、タブーみたいなところがあって、あまり赤裸々に語られることもないし、介護システム自体複雑で、施設やサービスも細分化されていて何が何やらさっぱり分からない。
実際、作者は訪問看護の仕事をするのだが、ヘルパーさんて、料理や掃除などをしてあげる仕事だと思っていたけど、あくまでヘルパー、お手伝いだったりする。
認知症対策のためにも、認知症の人がなるべく自分で料理や掃除をするようにして、あくまでヘルパーさんは補助作業に止まるのが理想なのだ。
たぶん介護現場では当たり前のことなんだろうけど、自分の場合、そんなことも知らなかった。
もっとも、そんな理想通りに行くことはむしろ珍しいようで、ヘルパーさんが何もかもやることになってしまうし、本来ならサービス外のことまで気軽に頼まれてしまったり、普段は使わない IH レンジの使い方に四苦八苦したりする。
訪問看護の仕事の内容すらもよくわかってなかったんだなあ、と軽くショックを受けた。
介護の仕事は他にも、発達障害児のためのデイサービスみたいな施設があったり、精神病院でひたすらおむつを取り替えたり(看護師でなくとも働けるのだ)、障害児の移動支援(一緒に移動するだけでめっちゃ大変)に特別養護老人ホームでの仕事など本当に様々だ。
作者は武者修行のように色々な介護の現場へ出向くことになる。
それにしても介護とは過酷な仕事だ。
作者本人も言っているように、長年引きこもっていた漫画家によくもまあこんなきつい仕事ができたものだと感心してしまう。
そしてさらに過酷なのは漫画家の仕事――。
作者はほのぼのとした四コマ漫画を描いていて、自分もも何冊か読んだことがあった。
↑ 今ならKindle unlimited 読み放題で読める。
クセのない可愛らしい絵柄に、人をイジったりディスったりせず読者を不愉快な気分にさせない作風には好感を持っていた。
そりゃ、「ONE PIECE」 のような大ヒット作は無かったけど、ずっと職人的に四コマ漫画を描いていく人だと思っていたのだ。
それでも年を取っていくと、仕事は少なくなり、ついには無くなってしまうのだ。
厳しいなぁ……。
しばらく前に、漫画の仕事がなくなってしまって、遺跡発掘の仕事を始めた体験漫画を読んだこともあった。
読者はゲラゲラ笑いながら気楽に読んでいるだけでいいけど、漫画家は命を削って描いているのだ。
吉田さんの場合、介護の世界という新たなジャンルを新規開拓したのだから、介護の仕事と並行して、介護の漫画を描き続けて欲しい、そして読者に介護の現場をわかりやすく面白く伝えて欲しい、と思う。
介護の世界を漫画でエンタメ化したヒット作だってある。
「半農半X」なんて言葉もあったけど、何か副業を持ちながら漫画を描き続ける「半漫半X」、てのもアリだと思う。
副業の世界を漫画にフィードバックさせれば良いし。
本当に大変そうだし、気軽には言えないけど、漫画好き読者としては、いつまでも漫画を描き続けて欲しいなぁ。
【プロフィール】
年2,500冊の漫画を読み、年に100冊の本を電子書籍読み上げ機能で聞き、片道一時間の自転車通勤を続ける日々――。
のんびり暮らすライフスタイルと、がんばらないためのライフハックがテーマ!
・食事は、たんぱく質ファースト。糖質制限中。MEC食継続中。ボトル飲みでプロテイン&メガビタミン
・電子レンジの時短料理で自炊中
・服は制服化&コンフォート命!
・断捨離後、ミニマリストに
・歴史と地理とニュースの社会科好き!
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・沈没バックパッカー(外こもり?!)