ごく普通の大学のごく普通の学部を出た自分にとって、美大とか芸大はワンダーゾーンだ。
例えば偏差値とか、一流大学とか、一流企業とかエリートコースとか、そうしたモノサシとは全く別の世界を生きている人たちの集まりに見えた。
うらやましく見えることもあったし、うさん臭いと思うこともあった。
だからコミックエッセイや漫画を見かけるとつい読んでしまうのかもしれない。
今回、図書館で見かけて借りてきたのはこちら。
周りの人達の迷惑も顧みず、気のおもむくままに彫刻を彫り続けるチェーンソーマンを始め、個性的な同級生が登場。
世間の同調圧力とは無縁のようだけど、逆に、個性的でなければならない、人とは違った存在でいなければならないというプレッシャーがあるようだ。
これはこれでシンドそう。
人体デッサンのために医学部の解剖室を見学するというコースが授業にあるのが面白かった。
中には解剖の現場を見学したいという強者の美大生もいるそうな。
そういえばレオナルドダヴィンチも人体解剖図のデッサンを残していたっけ。
なぜか図書館には2巻だけしか置いてなかった。
1巻も取り寄せて読んでみよう
同じコミックエッセイでも、こちらは舞台が京都――。
こちらも普通であることは NG 。
普通に可愛い絵柄の漫画を描いて好印象の作者だけど、セルフヌードを撮影するような個性的な同級生たちには圧倒されっぱなし。
「普通に美味しい」よりも「激辛」が求められる。
次に紹介するのはコミックエッセイではなく漫画だけれど、ノンフィクション小説のコミカライズなので実話なんだろう。
これは東京藝大生を妻に持つ原作者による潜入取材レポートだ。
奥さんは彫刻家なのだが、やっぱりチェーンソーを振り回してる。
これってもう彫刻家デフォルトなのかな。
等身大の彫刻を電車で運んでる姿が、死体を運んでいるように見えるエピソードには笑った。
ところで、この漫画では、教授による講評のシーンが出てくるのだが、教授が生徒に「君の絵は嫌いだ」と言い放ったのには、びっくりしてしまった。
これって講評?
ただ生徒の方も全く負けてなくて、「わたしは○○好きなんで、あざっす」と思ったそうな。
強い……。
さすが「美術界の東大」。
ウェブなら無料で読める。
ちなみに原作の小説はこちら――。
同じ奇人・変人ぞろいの美大キャンパスでも、こちらの漫画はもっとピュア。
天才・秀才・天然(バカ?)のトリオが悩みを抱えながらも作品を作り続ける。
舞台は東北で、東日本大震災の後遺症が時折顔を覗かせるのが切ない。
最後に、こちらはオトナ向け――。
才能ある美大生と和服デフォルトの年上美女(画廊勤務)との恋愛がメインなので、キャンパスライフや同級生がいかに奇人・変人なのかは控えめ。
でも何のために描くのか、一体自分は何を描きたいのかで悩むのは、全てのコミックエッセイや漫画に共通している。
そして多くの場合、卒業する彼・彼女達は、驚くほどアートに関係ない世界へと就職していくのだ。
普通の大学生のキャンパスライフは単なるモラトリアムに終わりがちだけど、美大生・芸大生たちの学生時代は人生の黄金時代じゃないかと錯覚してしまいそうだ。
【プロフィール】
年2,500冊の漫画を読み、年に100冊の本を電子書籍読み上げ機能で聞き、片道一時間の自転車通勤を続ける日々――。
のんびり暮らすライフスタイルと、がんばらないためのライフハックがテーマ!
・食事は、たんぱく質ファースト。糖質制限中。MEC食継続中。ボトル飲みでプロテイン&メガビタミン
・電子レンジの時短料理で自炊中
・服は制服化&コンフォート命!
・断捨離後、ミニマリストに
・歴史と地理とニュースの社会科好き!