今回読んだのは、不動産投資に関するコミックエッセイだ――。
主人公は自称売れない漫画家。
旦那様はタクシーの運転手。
不労所得を夢見て不動産投資に乗り出す。
しかし、その実態は――。
読んでいると不動産投資の大変さばかりが目に付いてしまう。
何が大変かと言うと、次々と思いがけない金がかかってくることだ。
手数料や司法書士に払う金に諸々の保険料、修理代やリフォーム代も必要になる。
そして何よりも税金が重くのしかかってくる。
金だけでなく店子の管理も大変だ。
家賃を払わずに逃げるのはまだ良い方で、部屋中の壁といい床といいめちゃくちゃにして行く者や、びっくりするほど水道を使っていった者もいたりする。
水道料金は大家が持つことになっていたので、料金の請求は後から来る。結局、大家が負担するはめになったのだ。
最強のラスボスは、シングルマザーで弱い立場だということを盾にとって、要求だけはするけれど、家賃は払わないという強者だ。
茨の道は、まだまだ続く――。
アパートを借りる人がいるかどうか、きちんと管理されるかどうかは、所詮不動産会社や管理会社の手腕によるところが大きい。
作者が契約していたところも、人事異動があって能力もなくやる気もない社員が担当になった途端に上手く行かなくなっていく。
大企業だったら安心かと言うとそういうこともないようで、むしろ役割が細かく分担されていると誰の責任なのかがはっきりしないし、本社が隣の県にあったりすると、担当支店が島流しのための支店だったりする。
ほんと、あまりにも痛ましい事件が次々襲いかかってくる。
これはあれだ、海外旅行した時の失敗談をネタにして漫画に書いているようなものだ。
不動産投資という旅をしている最中に起こったハプニングや失敗談を面白おかしく描いたコミックエッセイなのだ。
だから文句なしに面白い。
ただ、このコミックエッセイを読んで不動産投資をやろうと思うのは、よほどの強者か、神経が一本抜けている者ぐらいだろう。
不動産投資を始めてみようかどうしようか迷ってる者がいたら、とりあえずこの3冊を読んでみて、それでもやってみたいかどうか考えてみたら、と言いたい。
さて、強者の作者は、不動産投資を続けているかれこれ10年ぐらいの間に世界一周の旅にも出ている。
旦那様の「あきらめるという選択肢はないんだな」というため息が切ない。
さらにもう不動産投資には「飽きて」しまったようで、不動産投資から手を引いて、なんとスリランカでゲストハウスを始めたようだ。
こちらは未読。
さらに、さらに、宝探し、宝石探しにまで着手したようである。
こちらも未読。
それにしても、この作者、一体どこまで行くんだろう?
読んでいくのが楽しみでもあるけど、ちょっと怖い気もする。
そこまで思わせた漫画家はこの方が初めてではなかろうか。
ともかく読んでいきたい、見守りたい、と思う。
【プロフィール】
年2,500冊の漫画を読み、年に100冊の本を電子書籍読み上げ機能で聞き、片道一時間の自転車通勤を続ける日々――。
のんびり暮らすライフスタイルと、がんばらないためのライフハックがテーマ!
・食事は、たんぱく質ファースト。糖質制限中。MEC食継続中。ボトル飲みでプロテイン&メガビタミン
・電子レンジの時短料理で自炊中
・服は制服化&コンフォート命!
・断捨離後、ミニマリストに
・歴史と地理とニュースの社会科好き!
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・沈没バックパッカー(外こもり?!)