歴史ものを読んでるとあるあるなのだが、この後、この人はどうなったんだろう? などと疑問を持つことがある。
もちろん、検索すればすぐに分かるんだけど、それだと味気ない。
で、しばらくたって、別の物語を読んでいると、思いがけなく「その後」が書かれていたりして、懐かしい人の消息を聞いた気分になる。
こういう「出会い」も読書の楽しみだ。
さて、今回、「その後」が分かったのは雑賀衆だ。
「軍師 黒田官兵衛伝」の「94.水は銃より強し」。
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戦国時代、豊臣秀吉が鉄砲の傭兵集団「雑賀衆」を「水攻め」で滅ぼすエピソードだ。
雑賀衆は戦国時代に鉄砲の腕一つで世間を渡る自由人たちだが、織田信長と真っ向からぶつかったことで知られる。
なかでも雑賀の孫市は魅力的な人物だったようで、かの司馬遼太郎さんも「愛すべき好色」な男として描いているのだ。
ただ、司馬さんは、信長を相手にやり合う孫市、雑賀衆をメインに描いている。
だから、信長が本能寺で倒れたあとのことは、雑賀衆は秀吉に滅ぼされたようだ、でも、孫市は生き延びたという説もある、などとあっさり書くだけにとどまっていた。
物語で孫市は信長と敵対はするものの、秀吉とは友情らしきものも芽生えていたので、そのあたりはぼかして書いたのであろう。
それはそれで良いのだが、信長死後、雑賀衆はさっぱり表舞台に出て来ないな、どうなったのかな? などと気になってはいたのだ。
やっぱり秀吉に滅ぼされていたか~。しかも、「水攻め」だとは。
水攻めは備中高松城だけじゃなかったのな。
しかも、水攻めは進化していた(少なくともこの漫画では)。
秀吉軍は、水が満ちて城壁が低くなったところを船で進み鉄砲を撃つ。
鉄砲集団の雑賀衆に鉄砲で攻めるとは豪気だよな。
もちろん雑賀衆も負けてない。
水に潜って船底に穴をあけたり、夜に紛れて堤防を打ち壊したり。
二十日間に渡って攻防を繰り広げるのだ。
この水攻め、城の中が泥だらけになったら戦意も落ちるよな~。
最近は台風の被害で家の中に水が入ってしまったニュースもけっこう見るようになっている。
泥にまみれた部屋を完全に掃除するのは不可能だし、感染症にもかかりやすいと言うことが一般市民にも分かってきた。
昔の戦国時代だったらなおさらだろう。
血を流さずにすむどころか、恐ろしい攻めだ、水攻め。
ちなみに、後年、同じ水攻めを真似して大失敗する石田三成にフラグが立っていた(笑)。
このあたりは別作品に詳しい――。
「軍師 黒田官兵衛伝」の作者、重野なおきさんは戦国4コマ漫画を複数描いているが、4コマならではの小ネタをていねいに紹介してくれるので、歴史好きにはポイント高い。
今回の「軍師 黒田官兵衛伝」だけでなく複数連載中だ。
雑賀孫市は「修羅の門 外伝」でも、信長と並び立つ存在として描かれている。
信長と孫市、それぞれに陸奥の双子が立ち向かう。
そして、この双子がきっかけとなって陸奥と不破は分かれていく。
因縁の始まりだ。
う~ん。「歴史の裏に陸奥あり!」。
こちらは堅いこと言わずにフィクションと割り切って楽しむのがGood!
史実であってもなくても歴史は面白いのだ。
【プロフィール】
年2,500冊の漫画を読み、年に100冊の本を電子書籍読み上げ機能で聞き、片道一時間の自転車通勤を続ける日々――。
のんびり暮らすライフスタイルと、がんばらないためのライフハックがテーマ!
・食事は、たんぱく質ファースト。糖質制限中。MEC食継続中。ボトル飲みでプロテイン&メガビタミン
・電子レンジの時短料理で自炊中
・服は制服化&コンフォート命!
・断捨離後、ミニマリストに
・歴史と地理とニュースの社会科好き!
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法