名前はちらほら聞いたことがあるけれど、実際にどういうものだかは知らないし、なんとなくうさんくさいイメージもあった。
それが「地政学」。
漫画版を見つけたので読んでみた――。
読んでみると、なぜネガティブなイメージがあったのか分かった。
地政学は戦争のための学問、他の国を押しのけて自分の国が繁栄するにはどうしたらよいのかを追求するための学問なのだ。
第二次世界対戦の時にドイツのヒトラーが第三帝国を、日本では大東亜共栄圏を作るための参考とされた。
そりゃマイナスのイメージが付きまとうわけだ。
それでも、大変に魅力的な分野。
何しろシンプルでわかりやすいのだ。
・長い国境で隣り合っている国同士は仲が悪い。
・世界は海洋国家のシーパワーと内陸国家のランドパワーとがせめぎ合っている。
こんな原理原則に当てはめてみると、現在のややこしい国際情勢がすっきりとわかる。
北朝鮮と韓国がいつまでたっても統一されないのは地政学的に見て統一を望んでる国が世界に一つも無いという事実には圧倒される。
ひるがえって日本の歴史を地政学的に見てみると、幕末はシーパワーの薩摩藩、ランドパワーの長州藩が薩長同盟を結んで幕府を倒したけれど、そのまま薩摩藩は海軍に、長州藩は陸軍になった。
海軍と陸軍は足並みをそろえることなく太平洋戦争に突入し、海軍は同じシーパワーのアメリカを敵に回し、陸軍は同じランドパワーのロシアを敵に回した。
一つの国で両方の陣営をそれぞれ敵に回したのだ。
なるほど勝てるわけはないよなぁ。
こんな風に地政学的にものを見てみると、また違った歴史が見えてくる。
アメリカは大統領選挙でゴタゴタしてるし、中国はますますジャイアンと化しているし、日本は新型コロナウイルスでしっちゃかめっちゃかだ。
グローバルな国際情勢の中では、日本人的な思いやりや謙遜が全く通じない場面も出てくるだろう。
地政学を悪用するのは問題外だけど、つけ込まれないために知っておくのは悪くない。
それに地政学は、歴史や地理や現代史やニュースなどの全部盛り。
自分のように社会科分野に興味はある人にはとても面白い学問だと思う。
新しい鉱脈を見つけた気分。
このジャンルは少しずつ読み進めていきたい。
次はこの本を読むつもり。
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最後に、「マンガでわかる地政学」の改訂版が2020年の12月に出版されていた。
最新巻では、アメリカや中国はどのように描かれているだろうか?
韓国や北朝鮮は?
もちろん、読んでみるつもりだ。
【プロフィール】
面倒なこと、嫌いなこと、やりたくないことから脱出するライフスタイルと、がんばらないためのライフハックがテーマ。
Kindle読み上げで本を聴き、宅配レンタルコミック&図書館で漫画を読む生活。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は、たんぱく質ファースト。糖質制限中。MEC食継続中。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・調理は電子レンジがメイン。
・服は制服化済み。コンフォート命!
・住まいは断捨離してミニマリストへ(団地へ引っ越す?!)
・歴史と地理とニュースの社会科好き!