すでに最終回を迎えていた大人気シリーズにいつのまにか続編が出ていた――。
贋作専門の画廊店を経営してブラックマーケットでは盗品を扱いもする藤田とアシスタントのサラ(実はイスラム王族の娘)は健在。
ライバル? の三田村館長、国宝Gメンなどのレギュラーメンバーも顔を出している。
東日本大震災後に震災地の文化財をあさる「ハタ師」との攻防やアート・テロリズムなど新しいネタを次々に取り入れていることに感心。
アート・テロリズムのエピソードを読んだ時にはバーミヤンの遺跡がタリバンに爆破されたニュースを思い出した。
3Dプリンターでミニチュアのフェイク作品をたくさん作ってネット通販で売ろうとするエピソードには藤田らしいセコさで思わず笑ってしまう。
続けて読んだ第34巻――。
今大人気の若冲と宮沢賢治、現代アートとAI、それぞれの不思議な共通点。
どちらのエピソードも人気が過熱気味の若冲と理屈優先の現代アートに対してとびっきりの皮肉が効いている。
おまけにブロックチェーンや仮想通貨やマイニングまで登場。
長く続くシリーズというのはその時々の新しいネタを次々と取り込みながら続いていくのだなぁ。
マリー・アントワネット肖像画の真実も歴史好きには面白かった。
でも、ベルばらファンは読まないほうが良いかも……。
この「ギャラリーフェイク」のように読んでも必ず裏切られることがないという作品は貴重。
そして職人的に一定のレベルの作品をコンスタントに書き続ける漫画家も――。
疲れて帰ってきて、寝る前のひと時に気分転換してぐっすり寝たいと思う時にハズレ作品を読んでがっかりしたくないのだ。
この漫画はアートの世界の話だけど、ミステリー仕立てになっているので、ミステリーが読める人だったら誰でも抵抗なく読める。
裏切られたくない夜に満足して眠りたい人にオススメ!
それにしても完結したシリーズで、いつのまにか続編や番外編やスピンオフ作品が出ているってことが最近増えている。
たいていの場合、アニメ化やテレビドラマ化や映画化の宣伝のため追加で出版されることが多い。
せちがらい気もするけど、読者としては大好きな作品のその後が読めるのだから嬉しい。文句言ったらバチがあたる。
アニメやテレビドラマや映画をほとんど見ないので、ついつい気づくのが遅れがちになってしまうけれど、もうちょっとマメにチェックした方がいいかもしれない。
最後にギャラリーフェイク最新刊のリンクを。こちらはまだ未読。お楽しみはまだ続く――。
【プロフィール】
面倒なこと、嫌いなこと、やりたくないことから脱出するライフスタイルと、がんばらないためのライフハックがテーマ。
Kindle読み上げで本を聴き、宅配レンタルコミック&図書館で漫画を読む生活。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は、たんぱく質ファースト。糖質制限中候補。MEC食継続中。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・調理は電子レンジがメイン。
・服は制服化済み。コンフォート命!
・住まいは断捨離してミニマリストへ(団地へ引っ越す?!)
・歴史と地理とニュースの社会科好き!