のっけから「さあ、夢いっぱいの人生をあきらめよう!」というキャッチコピーにシビレてしまっ
た。
真面目に夢を追いかけている人から見たら「何考えてんだ!」って話かもしれない。 けれども、自分のような人間には響くものがあった。
もっとも、これには注釈が必要だろう。
まず作者について、不思議なポジション(職業?)な人なので、上手く説明できないためプロフィールより抜粋――。
職業は他人に奢られることで生きている「プロの奢られ屋」。ツイッターを介して出会った人々に、ご飯だけでなく旅行や家まで奢られている状況が話題を呼び、ツイッター開始わずか6カ月でフォロワー2万人を獲得。芸能人、YouTuber、大学教授、経営者、元犯罪者、風俗嬢、女子高生など、さまざまな経歴の人間から奢りの依頼が絶えない日々を送る。
何とも良く分からないナリワイだ。人によっては「単なるニートと変わらないじゃないか」と怒る人もいるそうだ。 まあ、気持ちは分からないでもない。
けれども、本書を読み進めていくと、この人は令和時代の、資本主義社会のブッダではなかろうか? と思えてくるから不思議だ。
そう、言ってることがブッダと同じなのだ。
ちなみにブッダについて知りたい方はこちら、手塚治虫作が鉄板ですね 。
プロ著ラレヤーの主張を自分なりに超訳するとこうなる――。
人は夢があり執着があるから苦しむ。
あきらめることで道が開ける。
たとえば、100 のやりたいことがあった場合、99 のやりたいことをあきらめて、残り一つのどうしてもやりたいことに専念すれば実現する可能性が高くなる。
どうしてもやりたいことだって、よくよく突き詰めていけば、もっと低コストで実現できる代替案が存在することが多い。
それに、あきらめることだって実は難しい。
「見栄をはるな」 と言われて「オレは、はってない」と言う人でも、親を、家を、結婚・子どもを、食事を、安定を、嫌われたくないという思いをあきらめられるか? と問われるとたじろくだろう。
あきらめることも立派な能力、戦略なのだ。
なにしろ、仏教でだって、「諦(あきら)める」は「明らかにする」から転用された、 もともとはポジティブな言葉だったのだ。
などなど――。
さて、この本を読んだ自分はと言えば、特別な夢ややりたいことは無く、 ただ、 のんびりと寝転がって本や漫画を読んで暮らしたい、できれば仕事以外では、人づきあいもしたくないし、インドアで引きこもっていたい、と思うような人間なので、本書には共感することしきりだった。
ちなみに、山奥ニートやphaさんや大原扁理さんの本を愛読していると聞けば、より分かりやすいだろうか。
そんなテンション低すぎな自分でも、このウイズコロナの時代、 特別ストレスを感じることなく、のうのうと生きている。
STAYHOME する大義名分も出来たし、職場での飲み会も無くなったし、かえって楽になったくらいだ。
その一方で、誰が見ても華やかな生活を送ってるはずの芸能人が自殺したりもする。
よく分からない時代だ――。
ドナルド・トランプが大統領になったり、選挙が終わっても負けを認めようとしなかったり、イギリスは EU から離脱することになったり、と世界も混乱してる。
こんなむちゃくちゃな時代にどう生きるか? 本書を読んだとき、もっと力を抜いて生きて行ってもいんじゃね? と言われた気がしたのだ。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・楽天ポイ活
・積み立て投資