海上保安庁でレスキューにあたる主人公。 全国区で難易度の高い教助にあたる通称「トッキュー」 となり、さらに国際的救助にまで参加するようになるが――。
全20巻、途中まで読んでいたけど、完結したので最初から2~3日で一気に読んだ。
あきらかに おもしろいと分かっている漫画を最終巻まで一気読みする快楽を久しぶりに味わった。
ほんとに東日本大震災以来、地震や台風など、すっかり災害が身近なものとなってしまった。
おまけに現在は新型コロナウイルスの真っただ中だ(さすがにトッキューの出番は無さそうだが)。
めったに海には近づかない生活だが、作品に出てくる災害 誰にでも起こりうるものだ、 もちろん自分にも、と思いながら読んだ。 だからなのか臨場感は以前読んだときよりは増した気がする。
それにしても全巻通して読んでみると改めて感じたのだが、日本人って、 ほんと~に責任感が強い!
これは何もトッキューについてだけ言ってるわけじゃない。
今回読んでて救助される側について強く感じたのだ。
たとえば遊覧船の船長。 遭難した時、お客さんの命だけじゃなくて、船を沈めないよう最大限の努力をする。たとえ自分の命を危険にさらしても。
「タンカーとかならともかく、 たかが遊覧船じゃ……」 などと思ってしまうが、船長にとっては最大の侮辱になってしまうのだろうなあ。
全編、こんな感じで、海で働く人たちの矜持を見せつけられることになった。
ぬるま揚にどっぷり浸かってるリーマンは思わず我が身を振り返ってしまう。
そして、もちろん助ける側の過酷さにも頭が下がる。
どれだけやる気があって知識が豊富でも、生死のかかる 現場で働けない人間はハジかれるし、名誉の負傷で身体を故障した者も退場させられる。
どうしても現場での活動にリスクが生じてしまい救急救命士として後方支援の道を選ぶ者もいる。
その一方、暗所恐怖症でトッキュー勤務を危ぶまれたが克服して勤務を続ける者もいる。
みな様々だ。
生死のかかる現場では生半可な同情は通用しない。
こうした修羅場のなかで、主人公は、視力の良さ(要救助者をすぐに発見できる)、と水中でも良く見える目(水中での光の屈折率がどうとか)、何より並外れた勇気を武器に活躍していく。
しかし、この勇気、前回読んだときは血沸き肉躍ったものだが、今回読んでみたら「無謀だ!」と 叫ばざるを得なかった。
正直、こんな奴の先輩やら上司やらにはとてもじゃないがなりたくねー、 と。
自分も組織の中であくせく働いてるうちに「変質」してしまったんだろうか?
実際、主人公はラスト近くになって、 さすがに自分の蛮勇について悟り、いったんトッキューを離れて教官の道を選ぶ。
その上で、この先どうやってレスキューにかかわっていくのか。主人公が選 んだ選択は……。
気になる人はぜひ読んで欲しい。
スポーツや武術ではないので、どんなに無茶しても勝てば大団円って訳にはいかないのだ。
最後にヒロインのユリちゃん。
いくら主人公がレスキュー馬鹿で女の子の気持ちが分からないと言っても、これだけ報われないヒロインは少年漫画でも珍しいんじゃなかろうか。
物語後半ではすっかりお笑い要員となってしまったような……。
漫画作者は男名、ヒゲ男自画像なのだが実は女性なんだそうで(別に隠してるわけでも無さそう)、それも影響しているのか? ちょっと容赦ない感じ(笑)。
ちなみに、原作者と漫画家はかなり綿密な取材を行っていて、毎巻、 生トッキューのレポートも挿入してくれていたのだが、こちらも大変面白かった。
生トッキュー隊員からサイン&イラストをリクエストされて、猫耳のヒロインを描いたエピソードは微笑ましかった。
現場を離れると普通のオ○ク、いや若者なのだなあ。
原作者の海ものはまだあるし、めぐみの大吾○十年ぶりの復活も話題。いまレスキュー漫画は熱い――。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・楽天ポイ活
・積み立て投資