現代の脳外科医が幕末にタイムスリップ!
のメンバーとかかわりながら、歴史の渦に巻き込まれていく ――。
いつの間にか異世界転生ものは巨大なジャンルとなってしまったようで、自分など古いタイプの漫画読みはゲームをやらないせいもあって、 いまいちついて行けないのだが、歴史タイムスリップものだけは歴史好きだけあって何とか話に入っていける。
過去へのタイムスリップものは、医療やグルメなど増えているけれど、 次はどんなジャンルのものが出てくるだろうか?
それにしても、なんで現代で活躍するグルメもの医療ものじゃダメなんだろうか? みんなそんなに異世界に行きたいのか???
それはともかく、もともとは歴史好き。面白く読んだ。 歴史ものというのは、ある意味、全編ネタバレ済みなんだけど、本来いるはずのない主人公が、歴史の流れの中でどう動くか、あるいは歴史が変わるのか? が楽しい。
あと、現代の最先端医療を幕末に当てはめると何が足りないのかが分かる。現代では当たり前のテクノロジーやスキルが実は長年の試行錯誤の結果つくられた凄い発明だったのだ、 と気づかされる。
最もたるものがペニシリン、 抗生物質だ。仁はタイムスリップ後の幕末で、青かびからペニシリンを量産し、
その使い方を広めようと奮闘するわけだけど、 仁が執刀した神業のようなオぺよりも、このペニシリンの普及のほうが世の中への貢献度ははるかに高い。このことは興味深い。
もちろんペニシリンも万能ではなく、他の抗生物質が必要な場面もあって、幕末の設備ではとても精製できないため無力さを噛みしめるシーンもあった。
抗生物質って、一般人にとっては、とても地味な存在だけど、今回、全20巻を一気読みしてみて、はじめて重要性がよく理解できた気がする。
乱暴な言い方だけど、人が病気中・手術中に 死ななくなったのは抗生物質のおかげだ、という理解で間違ってないと思う。
凄いぞ、抗生物質!
さて、手作りの精密器械をひっさげて、ブラックジャックばりの活躍をする仁、あまりの技術におったまげる周りの者たちを見るのも楽しいのだが、歴史好きだけあって、 どうしても坂本龍馬の方が気になってしまう。
作品では、仁の用心棒兼親友のポジション。
仁は歴史が変わることにためらいを覚えながらも、龍 馬の暗殺をくい止めるために京都へ向かうのである。
この坂本龍馬、人気あるだけあって、大勢の漫画家が描いているけど、「仁」の龍馬がベストワン! とてもリアルに思えた
残された写真によく似ているということもあるけど、性格が、司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」に 出てきた龍馬にそっくりなのだ(竜馬と龍馬、混在中)。
何より不愛想なところがそっくり! 仁も初めて会ったときには怖い、と感じたようだ。
他の漫画家が描いた龍馬はどうも作者の理想が入りすぎていて優しすぎたのだ。
無愛想だけど打ち解けてくると無邪気な面を見せたり、 妻のお竜(大酒飲み! こちらも魅力的!!)には頭が上がらなかったり、実に魅力的な龍馬だった。
幕末ファン、龍馬ファン、特に「竜馬がゆく」の龍馬ファンにはぜひ読んでもらいたい。
最後に、作者の次回作も、医療もの&歴史もののようだ。
現在、 3巻まで出ている。完結したら一気読みしたい――。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・楽天ポイ活
・積み立て投資