池上彰さんのニュースものは分かりやすいのでよく読んでいるが、それが漫画化されるとさらに分かりやすくなってありがたい。
「現代史」は馴染みがないし、学校でも授業の最後の方で駆け足で通り過ぎた記億がある。
だからこそ、池上さんの本や漫画を読んでいると、ふだん耳にするニュースと歴史とをつないでくれるのが「現代史」なのだ、 と分かる。
本書がアメリカの大統領選挙にあわせて出版されたのは実にタイムリーだった。
移民・難民の問題が、白人の低所得者層に与えている影響の深刻さについて読む前よりも身近に感じるようになった。
自分たちの生活がおびやかされるのであれば簡単にウェルカムと言うことはできない。
移民離民側も切実な問題を抱えていて、アメリカで子どもを産めば自動的に 子どもはアメリカ国籍が取れるし、親は合法的にアメリカへ逃げこむことが出来るのだ。
作中、妊婦が川に飛びこんで国境を越えようとするシーンがあって驚いたけど、それだけのリスクを冒して国境を越えるメリットが移民・難民側にもあるのだ。
それにしても、移民の国、フロンティアスピリッツの国アメリカが今度は移民を否定する側に回る。
アイデンティティは揺らがないんだろうか?
これって、結局、世界がグローバル化、自由主義化して、人々が行きたいところ、 住みたい国へ大移動したから起こったことだし、この移動を否定することは自 由を否定することにもなってしまう。 差別にもつながるし。
アメリカだけでなく、これからの日本人も、 今まで目をそらしてきた差別問題に向かいあわねばなくなってきたことを強く感じさせる。
その他、てっきり国民が大統領を直接選ぶと思いこんでたのが選挙代理人を介しての選挙だったり、州ごとに集計方法が違っていたり、なぜスーパーチューズデーが火曜日なのかといった素朴な疑問が一気に解決した。
本書はアメリカだけでなく、EUにも触れており、中でもイギリスの EU離脱問題、ブレグジットも取り上げられていた。
こちらの問題も根が深いのはアメリカと同じ。 ちょうど同時期にブレイディみかこさんの本を読んでいたので印象深かった。
こちらは「おっさん」目線で EU離脱問題を読むことができる。ブレグジットが以前よりも身近に感じられるだ
ろう。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・楽天ポイ活
・積み立て投資