たまたまだけど、大阪なおみ選手が全米オープンで優勝したあとに読んだ。 ガラにもなく「差別 とは」などと考えてしまった。ちょっと社会派。
作者はイギリス在住の日本女性で、イギリス人と結婚し、子どもを産んで、 ちょっとガラの悪い地区に住んで、元底辺校に子どもを通学させている。
現在文筆業だが、以前は保育士をやっていた。 つまり大勢の子どもたちを見てきていて、現在は自分の子ども相手にリアル子育て中なわけだ。だから説得力がある。
どこの国でも子育ては大変なものだろうけど、日本の子育ての悩みがママ友同士の人間関係など、 かなり濃厚接触? な悩みなのに比べて、イギリスの場合はいきなり人種差別や地域の格差問題にまで一気に社会問題につながってしまう。
もともとイギリスは階級社会だったからなのか、今日本で問題になっているような格差をとうに受け入れてしまっているように見える。
実際、中学9校集まっての地区水泳大会のおり、私立3校応援者はプールサイドの向こう側にゆ ったりと座り、公立6校の家族はこちら側に押しこめられて見学する。
泳ぐのも、私立3校と公立6校は別々。私立高生と公立高生が一緒に泳ぐことはない。それが当たり前になっているのだ。
作者が住んでいるブライトンはホワイトトラッシュ(白人のクズ)が住んでいる地区のようで、 これはアメリカだとトランプ大統領に投票する人たちが多く住んでいる街なのかな、 というイメージ。
息子クンが通う学校は元底辺校で小学校時代は地区ランキング一位のカトリック校に通っていたため、この母子の選択はかなり周りを驚かせたようだ。恵まれているのに、それをドブに捨てるよ うなものだ(意訳)と糾弾されてもいるぐらいだ。
まあ、そもそも日本人の感覚からすると「あの地区はヤバい」とか「あの中学校は地区最低ランク」などと、きっちりランク付けされていて、日常的な会話の中で当たり前のように話題にされることの方が異様に思える。
格差が問題になり始めた日本はまだまだぬるま湯なのだ。
年々、物騒になってきたとはいえ、少なくとも自分が住んでる街では夜コンビニへと出歩けるし。
それでも息子クンは元成辺校で、時には悩んだり考えこんだりしながらも健やかに成長していく。
日本人の中にいると白人に見え、白人の中にいると東洋人に見えるという微妙なルックスで苦労もする。
日本にやってきたときは「YOUは何しに日本へ?」と酔っ払いにからまりたりもする。日本人も、しょーもない。自覚のない差別が一番始末に負えない。
最後に息子クン語録で一番印象だったセリフを引用してみる――。
「『ハーフ』とか『ダブル』とか、半分にしたり2倍にしたりしたら、どちらにしてもみんなと違うものになってしまうでしょ。みんな同じ『1』でいいじゃない」
まったくもってもっともな話。
「ハーフ&ハーフ」なんて言ったら生真面目なだけの日本人は「言われる側の気持ちを考えたことがあるのか」 などと炎上するかもしれないけど、ネット上で不毛な揚げ足取りをやっている間に世界の格差は想像以上に広がっている。
もう一つ息子クンの名言を ――。
「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。……罰するのが好きなんだ」
人を罰すると自分が神様になったような気分になれるのかな。マウントを取りたがる人が話題になるけど、あれは人を罰したいからなのかな?
自分がバカでアホでしょうもない人間であることは十分すぎるほど自覚しているつもりなので、 せめて無自覚に差別などをするような人間にはならないようにしようとガラにもなく真面目に考えた。
この本は無料お試し版もあります。お試しあれ。
大阪なおみさんのプレイやパフォーマンスについて、それらに対する世間の反応については、共感出来ることも出来ないこともあった。感動したところもあったし、疑問に思うところもある。
とりあえず、差別や格差については、堅苦しくならない程度に考えていこう、そのためには、とりあえず、作者の他の本を読んでいこう、と思った。
ちなみに購入した本はこちら。今度は子どもじゃなくて、おっさんが主人公。どんな感じなのか想像がつかない。楽しみだ――。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・楽天ポイ活
・積み立て投資