らくだのライフハック

猫のように丸くなって暮らしたい

─セミリタイアして本とマンガの日々─

【星間ブリッジ】みんなこんなにがんばっているんだから戦争に負けるはずがないって考え方は今時の同調圧力にもつながってる気がする

 

 

第二次世界大戦の上海が舞台。 日本の女の子と中国の男の子が主人公。戦争によるすれ違い口マンスだ。

星間ブリッジ (1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
 

 

 

可愛らしい絵と裏腹に日本人が中国人を差別し、 戦況が変わると今度は中国人が日本人を迫害するシビアな現実が入り混じる。

 

 

二人はそんな過酷な環境のなかで思いを育んでいくわけだけど、その中でも、女の子の心の移り変わりが印象に残ったり。

 

移り変わりと言っても、不安になった、嫌いになったとか、別の誰かに心ひかれたと言うようなラブ要素ではなくて、戦時下にあって、周りの目とか、同調圧力によって気持ちがどんどん変わっていく様だ。とてもナチュラルに、無理ないよな、と思わせるぐらいに自然なので、同じ環境に置かれたら自分もこうなってしまいそうな気がして怖い……。

 

 

日本のこと、中国のこと、 彼のこと、 家族のことで悩み疲れた少女にとっては、戦争というはっきりとした分かりやすい目的に身をゆだねるのは心身ともに安楽さを覚える。

 

しかも 周りの人もみな自分と同じように一つの目的に向かっているのだ。高揚感を覚えるのも無理はない。

 

 

やがて彼女はこう思うようになる。みんなこんなにがんばっている。努力しているんだ。負けるはずがない、と。

 

何だか、これと似たような感じ、今でもあちこちで起こってる気がする……。

 

 

中国人の彼のことを思い、中国と日本とが仲良く暮らせないのか心をくだいていた彼女でさえ、こう考えるようになってしまう。 戦争、恐るべし!  いや、 恐ろしいのは非常事態における同調圧力なのか。

 

ウィズコロナでの自粛警察がニュースになってたけど、戦時中にも似たようなことは起こってた。「非国民!」とか言って。

 

こんなことは、現代でも、戦争がなくても、 じゅうぶんに起こりうることなのだ。背筋が寒くなる。

 

 

しかし、この「こんなにがんばってるんだから」とか「こんなに我慢しているのだから」と言うのは、別に非常事態でなくても日常的に思いがちだ。

 

だから、 結果が出ていないのは何かの間違いだとか、上手くいってるあの人は何かズルいことをしているのだ、と言う考え方に直結してしまいがち。だから怖い。

 

 

しみじみと戦争中に生まれなくて良かった。自分のような怠惰でやる気のない人間は、戦争で華々しく戦って死ぬ以前に、近所の人たちから「非国民」呼ばわりされて特高に捕まり拷問を受けたことだろう。

 

 

 

作者のあとがきによれば、 この漫画は祖母から聞いた戦争の話を元にしているという。 だからこそなのか、日常生活で戦争に協力するのは当たり前、戦争に非協力的なのは非国民と言う考えが少しずつ、そしていつのまにか当然になっていく過程をそら恐ろしく描けたのかも。

 

可愛らしい絵柄とのギャップがまたなんとも怖いし。 しみじみと、戦争も同調圧力も嫌だ。きっぱりとNO!  を叫ぼう。

 

 

【プロフィール】

 

夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。

 

空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。

 

 

・片道1時間の自転車通勤中

・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテインEAA&メガビタミン。

・ホットクック 1.0Lで自炊中

・服は制服化済み

・住まいは断捨離してミニマリスト

スマホiPhoneからPixel 3a XL へ移行

・マンガと歴史好き 

(特に世界史へ進攻中)

 

 

これから、やりたいこと――。

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