「う」。もしかしたら、 本・漫画ではもっとも短いタイトルじゃなかろうか?
そして、こ の漫画の特異なところは全4巻、ひたすら、 うなぎのことばかり描いているところにある。
主人公は呉服屋の若旦那、ひたすら、うなぎを食べまくる。うなぎのためなら日本中あちこちへ出向くしパリへ出張してもうなぎ屋に入るぐらい。
この男のうなぎ行脚を見ていると、嫌でも、うなぎに詳しくなる。
実際、この漫画を読んで初めて、 うなぎ屋の 「松竹梅」はグレードではなくて単なるうなぎの大きさなのだ、と言うことを知った。
そのほか、関東のうなぎは蒸すけれど関西のうなぎは蒸さないので固くてパリパリしているとか、浜松は養殖うなぎの一大産地なせいか、関東・関西風どちらのうなぎも食べられるとか。
中でも、名古屋名物「ひつまぶし」を食べたことがあるのだが、 特別に美味いとまでは思わなかったけれど、あれは関東風の蒸したうなぎで作ったからで、 名古屋本場では蒸さずにバリカタのうなぎを茶漬け・だし茶漬けにするので独特の風味があるのだとか。知らなかった……。名古屋へ行く機会があったらリベンジしよう。
主人公のうなぎ追求は国内だけではない。イタリア料理であるうなぎのトマト煮こみを食したり、友人たちと香港へ行ったときは自分だけ田うなぎのメニューを食べまくって我が道 をゆく。
いいとこのおぼっちゃんにありがちな高級志向ってわけでもなく、スーパーのうなぎを美味しく食べる方法を工夫したり、 牛丼屋のうなぎを卵かけにして食べたり、回転寿司のうなぎを味わったりもする。
面白いのは、食べるだけではなく、「学習漫画」の回? もあることで、 うなぎの故郷が太平洋のマリアナ諸島であることが日本人によって発見されたニュースを紹介していたりする。
京都にうなぎを神の使者として祀ってある神社があると聞けば、ただちに行ってお祓いを受けたりもしている。
とにかく、うなぎ、うなぎ、 うなぎ。全4巻読めばうなぎ博士になれてしまう。
ただ一つの欠点は、うなぎが食べたくてたまらなくなってしまうこと。シラス不漁によりうなぎの値段は高騰したまま。 おいそそれと気軽に食べられるものではなくなってしまったというのに。
空服時には覚悟してお読みください。
主人公ほどじゃなくても、週に一回はうなぎを食べられる身分になりたいものだ。近代マグロみたいに画期的養殖技術が開発されればなぁ……。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
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・積み立て投資