「味いちもんめ」は板前を目指す主人公の和食グルメ漫画で修業編から独立編までいくつかのシリーズが出版されているけれど、 このシリーズはかなり異色だ。なにしろ「漫画家食紀行」である。
最初はグルメ漫画を描いている漫画家を訪ねて舞台裏を聞くシリーズだと思っていたが、 訪問する漫画家が「池上遼一」や「モンキーパンチ」になったころには首をひねった。グルメ漫画なんて描いてたっけ?
話もニンニクたっぷりのラーメン食って美人編集者との打ち合わせに出かけるエピソードだったりする。なんだこりゃ?
それでもこのシリーズはおもしろい。同業の漫画家が開き役のせいか、答える漫画家のほうもかなりざっくばらんに話をしてくれている。普通のインタビューものよりもずっと露出度が高い。
なかでも「孤独のグルメ」で新境地を開いた谷口ジローさんのインタビューは、お亡くなりになる直前ということもあって大変貴重なものとなった。
谷口さんが、あまり取材をしていなかったり、 「そんなに美味いものなんてあるのかな」 とあまり食に興味がなかったりしたのには驚いた。
でも、「漫画家は憧れを描くものだ」という言葉には感心。テーマが山であれボクシングであれグルメであれ「憧れ」について描くから読者は惹きつけられるのだろう。
「釣りバカ日誌」の作者などは、船酔いするから釣りはしないし、魚も食べないと言う。漫画家って、嘘つきなのね~。こちらは最新刊――。
「味いちもんめ」の作者がわりと年齢高めなせいか、 インタビューする漫画家たちの年齢層も高めで昭和時代から活躍している人も多い。 あの漫画家が、今どうしているという意味でもこのシリーズはおもしろかった。
「巨人の星」の作者は熊本で絵本作家となっているし、 「キャンディ·キャンディ」の作者は北海道在住で北海道開拓史を描こうとしている。作品だけでなく御本人もおもしろい一条ゆかり先生は無期限の充電中。
激しく厳しい漫画業界で生き残った同士の話なので、 ストレートな話がポンポン飛び出してくる。漫画家や漫画業界の裏話が大好きな人にはオススメである。ただしグルメ度はイマ イチ低いのであまり期待しないように一。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・楽天ポイ活
・積み立て投資