ちきりんさんの本は読んでいたけれど、 この本はとても詳判が良いわりに後回しにしていた。
どのみちリノベーションやらリフォームやらできるような環境に住んではいないからだ。 しかし、それは間違いだった。 著者の作品はどの本もそうなのだが人に「自分の頭で考えよう」と思わせるものがある。今回もそうだった。
さらにリノベを通し、世の中には「等価の価値を交換する取引」と「共同で価値を生み出し、それを分け合う共同プロジェクト型の取引」が存在する、と気づきました。これはリノベ以外のさまざまな分野でも役立つ重要な概念だと思います。
いろいろな仕事、事業、プロジェクトについて「等価交換型」と「共同プロジェクト型」がある、と 仕分けすることによって今までモヤっていたことがすっきりと整理できる気がしたのだ。
あの仕事のとき、相手方にもっと強く言うべきだった、 あるいは逆に言い過ぎたかも、とくよくよ悩んだことがあった。
これは、等価交換型の仕事で等価に値しないものが納品されたら強く言うべきだし、共同プロジェクトだったら文句を言わずに解決策を一緒に探せば良い。
思いだすと上司と一緒に相手方と同席しているときに、 やたらと相手方に文句を言って怒鳴り散らす上司がいて、いたたまれない気分になることがあった。
これは、共同プロジェクト型の仕事のはずなの に、上司の脳内にしかない完成品と比べて等価交換しろと怒鳴っているようなものだったのだ。 なんだか、すっきり。
逆に、これは一言言わなくちゃ、と思った時に、遠慮してはっきりと言わずに後悔したこともあった。
今度から、相手方にどれぐらい強く言うべきか迷ったときは、 等価交換か共同プロジェクトかを考えてから物を言うようにしよう。
ワンテンポ考えるだけでも、 かなり冷静になれるだろうし。
もう一つ、身につまされたのは、 リノベについて考えることは親の家問題についての解決策になりえる、という指摘だった。
言われてみれば、将来、自分が持家にしろ賃貸にしろリノベに着手できる可能性は低いが、親の家問題、つまり、 空き家になったり、 物がやたらと増えすぎたり、ゴミ屋敷一歩手前になったり、庭が荒れ放題になったりと言った問題は見て見ぬふりをしているだけで、わが身にも迫っている。
リノベと言うと、つい構えてしまっり大金がかかったりするイメージがあるけれど、 快適に効率よく生活できる環境づくりととらえればライフハックの積み重ねとも言える。
リノベの予定もないのに読んでしまったリノベ本だったが、ほんとうに考えされられる本だった。
もちろん、リノベについても顧客目線で書かれていて、リノベを考えている人にも大いに参考となる。
個人的には二重窓に強い憧れをもった。夏の暑さも冬の寒さも何とかなりそうである。
また、トイレの壁がないほどの徹底したこだわりにも圧倒された。けれども特に来客を想定しなければ何でもありなのだ、と気づかされる。そういえば漫画家の伊藤理佐さんが家を建てたときも吹き抜けトイレだったっけ。
リノベを考えている人にも考えていない人にもオススメだ。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・楽天ポイ活
・積み立て投資