漫画家の生存競争は激烈だ。長年生き残ることは不可能に近い。特にギャグ漫画は消耗する。
読者は「消えた漫画家」などと興味本位でうわさしたりするけれど、漫画家は命を削って描いている。そして、それだけのことをしても人気が出るとは限らないのが本当に大変ところ。
最近はいったん「消えた漫画家」が消えている間どうしていたかを漫画にしてカムバックするケースをちらほら見かけるようになった。本作品もその内の一つ。
異彩を放っているのは、 漫画をやめていた間、 遺跡の発掘の仕事をしていたことだ。漫画と遺跡の取りあわせがミスマ ッチ過ぎて嫌でも目を引く。
読んでいると、とにかく暑い。 ちょうど梅雨明けで暑くなり始めた時期に読んだものだから、この暑さが熱気となって伝わってくる。
そして実はこの自分も遺跡発掘体験あり、 なのだ。
ひたすら暑いあの感じ、ぼうっとしてくる状態(あの頃はまだ熱中症は少なかった)、 休憩時間にがぶ飲みしたペットボトル、昼休み中に木陰で昼寝したこと(野外で昼寝は初めてだった)、発掘箇所の壁を丁寧に平らにするのがとても下手だったこと、などなどが蘇ってきて、懐かしかった。
この発掘現場の様子は西村しのぶさんも描いている。彼女が描くと妙にスタイリッシュになってしまうけど(笑)。
それにしてもずっとデスクワークをしていた漫画家がよくこの仕事を選んだものだ。座り仕事に行き詰ったから逆方向に振れたんだろうか? 作者の場合は嫁さんとの問題(彼女は売れっ子漫画家なのだ)もあったりする。悩みながら考えながら身体を動かす。それでも現実はなかなかすっきりとは動かない。
繰り返しになるけれど、漫画家は過酷だ。他にもアル中になった御大や一世を風離しながらギャグ漫画を描き続ける重責に耐えられなかった漫画家の有様などが漫画化されている。
「遺跡の人」作者も、サイトでの漫画発表をきっかけに再起をはかるようだが、なんとか上手くいってほしい。
そして、いったん漫画をやめても、 やめている間のことや、どうやって復活したかを漫画化する漫画家が増えてほしい。
復活劇は人の心をどうしようもなく惹きつけるから――。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・楽天ポイ活
・積み立て投資