やまむらはじめのシリーズを3本まとめて読むことか出来た。
いずれも再読ながら満足感でいっぱい。
やまむらはじめ作品の魅力は何といってもアクション、 動きのある絵だ。
例えば、「碧き青のアトポス」。超古代文明を有しながら沈んでしまった島をめぐる海洋アクショ ン(しかし「アトポス」の意味がいまだに分からない)。
特殊なパワースーツを着た登場人物が、海で大暴れする。
もう一つの「神様ドォルズ」は言わば航空アクション。 こちらも古代文明ペースは同じ。ただし和風。空を滑空する大型からくり人形を操るバトルものだ。
タイプの違う激しいアクションを楽しんだけれど、 今回は再読だからか、 別のところが印象に残った。
それは敵役の心情、復讐の動機だ。
理不尽に愛する者を奪われ、やり場のない悲しみにうちひしがれ、 その怒りや悲しみが時間とともに風化していくことに憤りを感じ、 そして普通に生活できてしまっている自分 が許せない。やり場のない強い情念が敵役を突き動かしているのだ。
思い知らせてやるのさ
何もしなくても今日と同んなじ 明日がやってくる.….
なんてことを疑いもせずに
のうのうと 日々を送ってる
思い上がった連中すべてに
もう一つのシリーズ「天にひびき」 は打って変わってクラシック音楽もの、音大青春グラフティだ。
読み始める前はちょっと意外だった。
しかし、作者のアクション魂は健在。バイオリンをソロで弾くシーンがあるのだが、ページをたっぷりととってほとばしる感情と激しい演奏をねっとりと描いていた。作者もあとがきで触れているぐらいだから快心のシーンだったろう。
しかもこの演奏者は主人公ではないんだよな~。 脇役(ヒロイン?)の演奏シーンにこれほど力入れるなんて、 すごい と言うか何と言うか…。
そして健在なのは強い情念。こちらは復讐ではなく「憧れ」が テーマだ。
憧れて憧れてどこまでも追いかけようとするが届かない存在。
そんな存在と出会えたのは幸せなのか不幸せなのか……。
天才的な指揮者(女)と出会えたバイオリン奏者(男)が彼女の音楽を支えるコンサ ートマスターになろうとする物語だ。
カリスマ指揮者とバイオリン・コンサートマスターとのラブではないところがニクい設定。
憧れる存在の後を追いかけなくなった後に、 男の子は大人になるのだなあ·。
クラシック音楽もの、音大生ものといえばあまりにもメジャーすぎる先行作品があるけれ ど、「天までひびき」も超おすすめ。
よくぞ臆せず連載開始したもんだ。
作者の次回作はどんなジャンルになるだろう? なんにしろ楽しみだ。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・楽天ポイ活
・積み立て投資