※ Kindle unlimited 読み放題対象
歴史ものを読んでいると、どうしても激動の時代に目がいってしまう。
新しい時代を切り開いた英雄達に憧れる。
けれども社会人になって世間というものがいくらか分かってくると、そうした英雄たちも、理屈に合わないことをやっていたり、裏では結構えげつないことをやっていたりするのが分かるようになってきた。
だいたいその英雄たちも、最後は悲劇で終わることも多かったようだし。
幕末に当てはめてみると、昔は勤王側の英雄に憧れたりしたけれど、負けた側の佐幕派にも共感出来るようになり、今では、時勢にかかわらず超然とした人間に関心を持つようになってきた。
本短編集では、「肥前の妖怪」と呼ばれた鍋島閑叟のような人物だ。
幕末の肥前佐賀藩の藩主鍋島閑叟は、勤王にも佐幕にも組せず、ひたすら藩内を、特に軍事を洋式化することに専念し、軍事力だけである種の勢力を作り上げた。
いわばテクノロジーで、敵対する両方の勢力から一目置かれたのである。
結局、勤王側について「薩長土肥」などと言われる。
薩摩・長州・土佐はともかく、最後の「肥前」って謎の存在だったけど、本書を読んでようやく分かった。
死ぬ間際
「わしが戦国の世にうまれていたならば、もうすこしおもしろい世を送っていたかもしれぬ」
と洩らしたといわれる。
鍋島閑叟が満足してこの世を去ったのかどうかは微妙だけど、少なくても自分は羨ましいと思う。
サラリーマンに当てはめてみると、社内の派閥抗争に煩わされることもなく、自分の専門技術を持って独立自尊のポジションにいたわけだ。
本書は、他に土佐藩主の山内容堂など幕末に名君と呼ばれた人達の短編集だ。
"酔って候 (文春文庫)"(司馬遼太郎 著)
— らくだ@ライフハック&マンガ (@rakuda951) 2020年2月10日
幕末の四賢候などと言われた藩主達の連作
坂本龍馬を産んだ土佐藩の藩主山内容堂は「竜馬がゆく」を読んでいると、勤王なんだか佐幕なんだかよく分からなかったけれど、詩人体質故に飲んだくれただけで終わってしまったんだな~https://t.co/aOPzadHViX pic.twitter.com/MCrPDgzJHy
藩主ではなく勤王浪士だったら天下で活躍することになったであろう人間もいる。
置かれたポジションによって、どう生きるかはある程度決まってしまう。
そう考えると、職場や住環境を選ぶことも大切なんだなぁなどとも考えた。
【プロフィール】
嫌いなことやりたいことを回避するライフスタイルとがんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1冊)漫画を読んでいく(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事はMEC食からEAA&メガビタミンへ移行。糖質制限中。
・ホットクック 1.0Lで自炊開始
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・スマホはiPhoneからPixel 3a XL へ移行
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)