「孔明のヨメ!」作者の中国留学体験記、コミックエッセイだ。
三国志のファンで孔明のファンで、孔明伝説が数多く残る雲南省昆明市へ留学した。
昆明市は中国南部、ミャンマーやラオスやベトナムに近いところだ。
学生証や成績証や修了証さえこちらから申請しないと発行されないと言う共産主義国家ならではのエピソードや、お決まりのオープン形式のトイレによるカルチャーショックなどが綴られている。
中には貴重なライフハックもあって、中国の銀行でトラベラーズチェックが使えなかった時のエピソードなんかがある。
共産主義国家の常として、中国の銀行に置いてある日本の銀行のリストは古かった。作者が使っていた銀行は、1年前に合併して名称が新しくなったのでリストには掲載されておらず疑われたのである。
しかし今回一番印象的だったのは、やはりSARSの時のエピソードだろう。
何しろ現在、中国の武漢で発生したコロナウイルスによる新型肺炎のニュースで世界中が大騒ぎしている時だ。
2003年の3月にSARSが発生したときの作者が体験したことは、そのまま現在に当てはまりそうだ。
その時、作者はたまたま日本に帰省して日本人からSARSの心配をされて初めて気づく。
その後、帰りの飛行機のアナウンスやネット情報で、ようやくただ事でないことを理解する。中国国内で情報は隠匿されていたのだ。
情報解禁された時のテレビのアナウンサーの発言が以下である。
中国本土での感染者数は千を超え死者も出てますが蔓延は抑えられています
問題ありません
少なくとも香港では大騒ぎになっているのに、中国内部では大多数の国民がほとんど危機感を持っていなかったのである。
WHO(世界保健機構)がブチ切れているのも、現在のコロナウイルスの時と同じ。デジャヴ?
この後、作者はデマに翻弄されたりSARSと誤解されたりと非常に濃い4ヶ月半を過ごすことになる。
最後に作者のライフハックから一つ――。
中国で何かあった時のために、2時間以内に荷物をまとめて空港に走れるよう心づもりをしているそうだ。
また空路が絶たれた時は、陸路で ベトナムへ逃げてそこから飛行機で日本へ帰るつもりだったという。
これは中国語の先生からのアドバイスによるものだ。
ただ中国は日本と違い
いつ何が起きるか分からない国です有事の際は二時間以内にその場所を引き払えるよう
常に心積もりをしておきなさい
新型肺炎に危機感を持っている人には、是非ご一読を勧めたい。
中国という国の対応の仕方がよくわかる。
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【プロフィール】
嫌いなことやりたいことを回避するライフスタイルとがんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1冊)漫画を読んでいく(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事はMEC食からEAA&メガビタミンへ移行。糖質制限中。
・ホットクック 1.0Lで自炊開始
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・スマホはiPhoneからPixel 3a XL へ移行
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)