久しぶりに知らない世界を覗いた気分。ライブの世界はこれほど激しいものだったのか……。
倒れそうになったら周りの人の肩つかんで
倒れたら死にますよ
のっけからこれだよ。
ライブで観客がダイブしてるシーン。
確かに満員電車みたいに身動き取れないよう密集してるところで万一転んでしまったら踏みつけられてあの世行きだ。
まあ、ライブでのダイブぐらいは耳にしたことがあったけど、高梨さんは、様々なライブへ連れてってくれて、音楽のジャンルによって、どのような観客パフォーマンスが繰り広げられてるのかを読者に教えてくれる。
ロックフェスでの開幕直前、観客が皆両手を挙げて「お~、お~」と叫ぶ儀式。
複数の観客が輪を作って全力疾走しサビとともに体をぶつけあうサークルモッシュ。
アーティストが観客の上に立ち、まるで人の上を歩いてるように見せるヘッドウオーク。
デスメタルのライブでよく使われる悪魔崇拝のポーズ「コルナ(メイロックサイン)」。ヘッドバンキングぐらいは知ってたけど、これは知らなかった。
アイドルのコンサートで推しの娘からの「レス(リアクションのことだそうな)」をもらうためにファン同士でかつぎ合うリフト。
ライブ作法はこれほどまでに多岐に渡り奥が深いものだったのか――。音楽のジャンルが細分化してるように、作法も差別化が図られているのだろう。
汗まみれになって熱狂する運動量はスポーツやフィットネスを軽くしのぐ。
何でこれほどまでに?
ここで死に物狂いで楽しんだら
明日からどんなことがあっても頑張れる気がして
そう、高梨さんは会社ではめったに口をきかないし、飲み会もほとんどスルーな地味メガネ女なのだ。
ライブは現実逃避の手段なんかじゃありません
現実と闘う…
生きる力をもらえる場所なんです
ライブにも行かないしスポーツ観戦もしない自分には、長い間、謎だった。何でまた年収何億も稼ぐようなアーティストやアスリートやらを貧乏人が熱狂して応援しなきゃならんのか? と。
でも、本書を読んで、ちょっとだけ分かったような気がする。いきなりライブへ行こう! とまでは思わないけど(笑)。
それにしても、最近はプレーヤーではなく、観客サイドを主人公にした漫画が増えてきた。
高度情報化社会になって先が見えすぎるようになって、誰も彼もがヒーローになれる訳でもないことが分かってきた。
頂点を目指すプレーヤーではなく、サポーターとしての楽しみ方を解説する漫画が増えてきている。
思いつくまま並べてみると、料理人ではなく食べる側の漫画――。
サッカー選手ではなくサポーターの漫画――。
野球も負けてない――。
熱闘! 野球女子 フルスイングの野球愛コミックエッセイ (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
- 作者:須田 さぎり
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2015/03/13
- メディア: 単行本
これが草食化なのか成熟化なのかはよく分からないけど、門外漢にもその世界を面白おかしく教えてくれるのは有り難いところ。
漫画を読んでワールドカップ優勝を目指すよりは、一度くらいはスタジアムへ行ってみようかな、の方がハードルは低いしね。
【プロフィール】
がんばらないライフスタイルと時間効率化のためのライフハック がテーマ。空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1冊)、漫画を読んでいく(週50冊)。
・物より面倒を減らすミニマリスト
・食事はMEC食、糖質制限、高脂質
・服は制服化済み
・住まいは断捨離中
・片道1時間の自転車通勤継続中
・マンガと歴史好き
最近、取り組んでいるもの――。
・音声入力
・耳活(Kindle読み上げ)
・Excel自動化
・漫画化計画
(エンタメ、入門書、情報収集すべて漫画で)
・徒歩通勤
これから、やりたいこと――。
・古武術介護
・小笠原流礼法
・競歩
・積み立て投資