戦国時代一挽回した男、仙石権兵衛シリーズの第2部を一気読みした。
全15巻――。
第2部を読み終わって、ようやくこの作品に慣れてきた感じだ。とにかく濃ゆい。
絵も、主人公のゴンベイや秀吉や竹中半兵衛あたりはマイルドヤンキーあんちゃんみたいで今でもそのあたりにいそうなのだが、それ以外の武将は皆ヒゲダルマで容赦なく画面が真っ黒だ。
そして、意欲作にはありがちなのだが、どうも読みづらかった。通説では○○だけど、実は□□だ、と言う時代考証・解説シーンがやたらと多い。
もちろん、新解釈を知るのも歴史ものを読む楽しみには違いないし、解説がないと分かりづらいのも確かだけど、読みたいのはアカデミックな学術書じゃなくて、あくまで歴史物語、エンタメなのだ。
歴史小説にもありがちだけど、某巨匠のように、とにかく調べたことを全部書いてしまう作家はけっこう多い。やたらと引用文が多くなる。当然、漢字だらけで読みづらくなる。読むのがシンドクなってしゃーない。
それでも、第1部とあわせて30冊も読んでると、さすがに慣れてはきた。慣れるまでに脱落した読者も多そうだけど……。
ちなみに第1部の第1巻と最終巻――。
まぁ、駄目ならサッサと放り出して、また時間がだいぶ経って気が向いたら手に取ってみると良いと思う。がんばって読むのもシンドイし、全く読まないのももったいない。
さて、慣れてくると、意欲作の新説もなかなかに面白い。
合戦ちゅうもんのほとんどは
武力を敵に見せつける威流行動なんじゃ
もし敵と遭うても「言合戦」や
「焼き働き」で、あらかた勝敗がつく
これ、目からウロコだった。案外、そんなものかもしれない。いつもいつもガチで殺し合いしてたら、いかに戦国時代だっていっても、たまったもんじゃない。
まぁ、ヤンキーの抗争でも、メンチの切り合いから始まるようで、いきなり金属バットで殴りかかるわけじゃなさそうだし。
けれども、口喧嘩や放火の段階をすっ飛ばして、いきなりガチ殺し合いをするようになったのが、信長なんだと解釈すれば、しっくりくる。「第六天魔王」と呼ばれるわけだ。
天正三年五月二十一日
設楽ヶ原において
火砲を用いた集団殲滅戦と
これまでに見られない
近代戦の歴史が幕を開けた
んで、具体的なガチ殺し合いが、大量の鉄砲による集団殲滅戦へとなっていく。長篠合戦は、鉄砲を次々と交換する三段構えの策と言われてるけれど、「センゴク天正記」では、包囲してからの鉄砲による虐殺と位置づけている。
信長以前、戦は勝ち負けを競うスポーツのような側面があったけど、信長以降は、天下布武を邪魔する者を削除する戦争になってしまったようだ。
現代に生きる我々から見ると、戦争=殺し合いが当たり前では? て感じになるけど、むしろ当時は珍しかったのだな。
この「センゴク天正記」のゴンベイを通じて、その辺の感覚がようやく飲み込めた気がする。
まぁ、さらに時代を遡って源平時代になれば、「やあやあ我こそは」と名乗りを上げてから一騎打ちしたりしてたわけだしね。元寇でやって来た蒙古軍団からすれば、何やってんだ? てことだったろう。文化が違~う。
「センゴク天正記」には、その他、新説がいくつか提示されていて、最も面白かったのが、雑賀衆は単なる鉄砲傭兵集団ってだけでなく、「武装商人集団」だって言う指摘だった。
海好きは船に乗り
合戦好きは鉄砲を撃ち
銭好きは商売する
そう、信長は楽市楽座で銭を稼いで鉄砲を買い足軽を雇った訳だけど、雑賀衆は、どうやって鉄砲を買う金を作ったんだろう、と不思議に思っていたのだ。
それにしても、「センゴク天正記」でも上杉謙信はやっぱり不思議ちゃんであった……。
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