長い間、イスラムというのは謎の存在だった。
それでもエッセイコミックなどが、少しずつ出るようになったので、現在のイスラムと言うのはこんな感じなのかというのはなんとなくわかるようになってきた。割とガチなイスラムというのはむしろ少なくて、ライトなイスラムというか、庶民は適当にゆるくやっているようだ。
イスラムの歴史ものといえば千夜一夜ぐらいしか思いつかなくて、ましてや漫画といえば全く皆無だ。しかしついに見つけた。しかもイスラム全盛の16世紀初頭、スレイマン一世の時代だ。
オスマントルコ皇帝のスレイマン一世。奴隷としてハレムに入り後宮の権謀術数に巻きこまれていく主人公、ヒュッレム。ヒュッレムの思い人であり、スレイマン一世の片腕でもあるイブラヒム。ちなみにスレイマン一世とイブラヒムの間にはBL要素もあったりする。史実かどうかは分からないけど。
物語は三角関係とハレムの権謀術数とオスマントルコの史実が絡み合って進んでいく。こちらは最新刊。全12巻、一気読みした。はぁ、幸せ……。
物語の途中、シナンと言う老人が出てきてオヤッと思った。どこかで聞いたことがあるような? で思い出したのは夢枕獏の小説だった。
シナンは歴史に名を残したイスラム建築家。イスラム政権の浮き沈みに心を痛め、時には親しい者を失いながらもモスクを作り続けた。「仕事があなたを救うでしょう」と言う言葉を心の支えとして。
こんな言葉を心の支えにするぐらいなので、特別幸せというものでもなく、むしろ悲しみの多い人生だった記憶がある。
シナンの事を思い出してしまったら、スレイマン一世とイブラヒムが今後どうなっていくのかも思い出してしまった。
ネタバレになるけど、小説「シナン」では悲劇的な結末を迎える。でも、むしろ「夢の雫~」は続きが読みたくてしょうがなくなってる。実際今の状態からどうやって悲劇に向かうのかを知りたくて知りたくて。
そもそも主人公のヒュッレムはどうなるのか? 意外だったけど、どうもヒュッレムも実在の人物らしく、検索するとWikipediaにも載ってるような大物だった。
でも、さすがにWikipediaは読むのを我慢。これ以上知ってしまうと続きを読む楽しみがなくなってしまう。まあちょっとは読んじゃったけど。想像以上に波乱に満ちた人生を送るみたいだ。単なる三角関係では終わらなそう。
こんなふうに面白いと思っている物語が、別の物語とリンクしていることに気づいて、今読んでる物語の展望がぱあっと開けていくような気がすることがある。これも読書の楽しみのひとつだ。
それにしてもイスラムを舞台にした漫画、特にエンタメで、が読めるとは思わなかったなぁ。作者はトルコにかれこれ10回近くは訪れているらしい。しかも、トルコ入りするときはスレイマン一世の遠征と同じコースを選びたいなどと書いており、かなりこだわってる様子。
どこまでが史実で、どこからがエンタメか、どこまで時代考証に忠実かまでは分からないけど、この話を聞く限りだと、マニアックなこだわりは、かなり紙面に反映されているのではなかろうか。
ま、一読者としては、オスマントルコって、全盛期のイスラムって、こんな感じだったのかぁなどと思いながら寝転んで漫画を楽しんでいればよい。いい時代になったな~。
ちなみに作者はヒッタイトを舞台にした歴史漫画も描いていた。ヒッタイト! またマニアックだな~。教科書には載ってたような。確か鉄器で有名だった。騎馬民族のイメージもあったかな。こちらも初読&一気読みする予定。どうやらタイムスリップもののようだ。
最後に割と最近読んだイスラム関係のエッセイコミック、その他――。ガチでないライトなイスラムはこんなもん……。
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