どうも、人と同じでは嫌だ、と言う欲求があるようだ。
何か、人がやらないことをやりたい。
人とは違ったやり方でやりたい、と思ってしまう。
マーケティングの世界では、正しいことかもしれない。
ビジネス本や自己啓発書なんかには、ブランディングだ、ニッチだ、ブルーオーシャンだ、と書かれている。
だから、つい、そのような本を読んでると、自分の考えは間違ってないように思ってしまう。
でも、本当だろうか?
最近、疑念が拭えないでいるのである。
自分の場合、自転車を例にするのがわかりやすい。
最初は、異動した職場が電車やバスでは通うのが不便だったのがきっかけだ。
ゴールデンウィークがヒマだったので、試しに、自転車で職場まで行ってみたら、思いがけず、時間がかからなかった。
しばらくジテツウしてみたら、汗をかくのは気持ちいいし、体重がどんどん落ちた。
すっかり自転車通勤にハマっていった。
そのうち、ロードバイクに乗ってみたくなる。
振り返ってみると、このあたりで止めておけば良かったような気がする。
だんだん、付加価値を求めるようになったのだ。
ただ走ってるだけじゃつまらないような気がしてきた。
行きつけの自転車屋の常連さんたちは、スプリントやら、耐久やら、ヒルクライムやらのレースに出たりしていた。
自分も何かやらなきゃ、ていう気にさせられた。
その頃には、自分が速く走れないことに気づいていた。
がんばっても、たかがしれていることも。
長い距離を走るようになり、休日は、もっぱらロングライドするようになった。
その延長でブルベにも参加するようになった。
今となっては、いい思い出だ。
けれども、本当に楽しかったか? と考えると、言葉につまる。
走ってる最中は、「何でこんなことやってんだろ」と自問自答することが多かった気がする。
少なくとも、楽しくて楽しくてしょうがない、てことは無かった。
ブルベに完走したときは、達成感より、もう、走らなくていいんだ、と言う安堵感の方が大きかった気がする。
自転車屋で、店長が他の常連さんやお客さんに、「この人ブルベやってんだよ」と言ってくれたときに、誇らしい気持ちになったりしたけど、なんだかステイタスだけを求めていたような気がしてならない。
もちろん、悪いことばかりではなかった。
なんだか自信のようなものもついた。
自信があると、他の自転車乗りのことも、素直に尊敬したり認められたりできるようになった。
走っているときに抜かれても、張り合ったりしなくなった。
自己紹介や世間話の時は、とりあえず、自転車の話をすれば、話を転がしていくことができた。
ブルベをやっていた、と(さりげなく)自慢することもできた。
そういう意味では、ただ、なんとなく自転車に乗っているよりは、長距離に特化して、ブルベというジャンルに進んでいったことは間違いではなかった。
その後、自転車との付き合いは、しばらくの試行錯誤を経て、ブルベからは撤退し、結局、自転車通勤オンリーに戻っていった。
そして、今、一番しっくりきている、と感じている。
もう、休日に無理して走らなくてもいいんだ、とホッとする自分がいる。
たぶん、これからも、ブルベを走ってたことは、さりげなく自慢してしまうだろう。
でも、これからは楽しいこと、自分の身の丈に合ったことだけをやっていこうと思う。
自転車に限らず、生活全般においてーー。
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