おひとりさま男子用の料理本があったらいいのだが、と思っていた。
けれども、定年退職者用か、妻に先立たれた男用みたいな本が多いようだった。
なので、新聞の広告で、『弘兼流 60歳からの楽々男メシ』を見て飛びついた。
60歳向けの本なら、いくらなんでも、自分にだってできるだろう、と。
弘兼さんのマンガは読んでいたので馴染みがあったし。
しかし……。
結論から言ってしまうと、ダメ家事男子には、ハードルが高過ぎるものだった。
どこが「楽々」なんだか。
まあ、この手の本にはよくあることだけど。
なぜ、ハードルが高くなるかというと、この本に出てくる料理は漫画スタジオの「まかないメシ」なのだった。
交代でまかないメシを作ることになっていて、近所のスーパーで旬の安い食材を買ってきて一汁二菜の献立を作ることになっている。
掲載されている写真は小綺麗だけど、特別インスタ映えするってほどでもなく好感が持てた。
でも、基本的には、自分で作って自分で食べるメシではなくて、誰かのために作るメシなのだった。
ハードルが高くなるわけだ。
作者は料理人になりたいと思ったこともあったようで、基本的には料理が好きな人のための本、料理が好きになりたい人のための本なのだ。
ますますハードルが上がるわけだ。
いくら、料理は楽でなきゃダメ、と書いてあっても、ちっとも楽そうには見えない。
もし、探すとたしたら、食べるのは好きだけど料理は嫌い、てぐらいの人が書いた料理本でないと参考にならなそうだ。
もっとも、そんな人は料理本を書いたりはしなさそうだけど。
あと、料理本は、どうしても写真がないとダメなようで、写真を見て美味そうだと思えないと売れないのかもしれない。
自分の場合、自炊した料理にすっかり満足してるのだけど、写真に撮ると、あまりにも美味そうに見えないことに驚いたことがある。
出来上がりの見映えは悪くてもいいので、①美味くて、②簡単(時短)で、③健康的で、④安上がりな料理を紹介した本が、日本のどこかにないだろうか?
ネットでも、インスタ映えしないとウケないみたいだしなあ。
限界ハウス、ダメ家事男子。プロフィール
空き家一歩手前の限界ハウスで「健康で清潔な最低限度の生活」を目指し、ストレスフリーな毎日を目指して試行錯誤中のへなちょこ家事男子。