酔いどれ代打屋のあぶさんもレジェンドな存在になってしまった。最初は、どちらかと言えばアンチヒーローなイメージだったけど。
あぶさんを知らない人でも、バットに酒しぶきを吹いて打席に立ち、ホームランを打つシーンは目にしたことがあるんじゃないだろうか。
このあぶさんシリーズは全107巻。超ロングランになった。正直、一気読みは、かなり疲れた。いや、普通に面白いんだけど、 とにかく長すぎる。
ロングランの間に、あぶさんは変貌を遂げる。代打屋からレギュラーへ。ポジションもレフトになったりサードになったりライトになったり。なぜか指名打者というケースはあまりない。代打屋から指名打者にシフトする方がスムーズな気がするんだが。
そしてレギュラーになったあぶさんは三年連続三冠王になったり、四割打者になったりと 神のような打者になってしまう。
おまけに神なのは本人だけではない。息子の景虎は甲子園の優勝投手になってしまうし 、娘の夏子はモデルとして活躍するのだ。なんてセレブな一家なんだろう。
居酒屋「大虎」で飲んだくれてたあぶさんが懐かしい。目の周りにクマがあって、 暗黒面に堕ちた騎士みたいで。
神になってしまったあぶさんに、ピッチャーたちはインコース攻めで挑む。インコースはあぶさんの得意なコースなので、普通なら投げないほうが良さそうなんだけど、新人や伸び盛りのピッチャーは自分の球がどれだけ通じるのか試してみたくてしょうがない。
いや、ベテランのピッチャーでさえ、インコースは鬼門と知りつつ「今日インコースであぶさんを仕留めれば、今シーズンのあぶさんは死ぬでえ」などと言いつつ魅入られたようにインコース勝負を挑み、ホームランを打たれてしまう。 まるで白鯨モービーディックに挑むエイハブ船長のようだ。
これはカリスマにしか出来ない技だ。 いや技と言うよりは「格」の違いのなせる技か。結局、技なのか? よく分からなくなってきた。
あぶさんは前人未踏の成績を残しただけでなく、驚くほどに現役時代が長かった。なんと62歳まで現役となる。
酒飲みで瞬発力はあるが持久力がないための代打屋だったはずなのに、 なぜこんな長寿選手になってしまったのだろう。
代打屋時代につちかった集中力のおかげ、 ということになってはいるけど。
こんな鉄人あぶさんも、 ついには現役引退を迎える。すぐに監督になるわけでもなく、しばらくは浪々の身となる。
朝、手持ち無沙汰になって近所の公園を散歩したりする。 地域の人たちと交流もする。う~ん。 高齢社会。
そういえば、最近、ジョージ秋山先生がお亡くなりになったというニュースが流れた。
ビッグコミッ クオリジナルは長期連載が何本かあったけど、どんどん無くなっていく。これも時代の流れ だろう。
あぶさんだって、昭和時代に始まったのだ。 今はもう無くなった球団もある。あぶさんが所属していた南海ホークスだって、今ではダイエーホークスを経てソフトバンクホークスだ。 あぶさんは昭和時代の生き残り、高齢社会のヒーローだったのだ。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
・古武術介護
・小笠原流礼法
・楽天ポイ活
・積み立て投資