新型コロナウイルスのおかげで、新聞やニュースで感染症の話を見聞きしないことはすっかりなくなった。嫌でも感染症に興味を持たざるを得なくなる。
そこで本書を読むことになった。感染症本1冊目としては、対談形式で読みやすく、分かりやすい内容だった。歴史好きにもジャストフィットだし。
改めて感染症に目を向けていると、人類の歴史は感染症との闘いだったし、ひとたび感染症でパンデミックになると社会が大きく変わっていた。
東ローマ帝国はペストで滅亡したし、そのペストが教会の権威を失墜させ、ルネッサンスへ繋がっていく。
日本にしても、遣唐使が天然痘を運んできたとは知らなかった。遣唐使の廃止を主張した菅原道真は別の意味で正しかったし、道真を太宰府へ左遷した藤原四兄弟が流行病いで死んだのはある意味自業自得だったのだ。
驚いたのはスペイン風邪。スペイン風邪は第1次世界大戦を終結させたし、名前にスペインがついてるのは濡れ衣だったと言うことだ。長いけれど引用しよう――。
スペインは、第一次世界大戦のとき、中立国でした。そのため軍事機密とするようなこともないですから、報道管制もありませんでした。報道が自由に行われていたんです。スペイン国内ではどんどん感染が広がり、ついには国王も感染します。閣僚はじめ政府の要職に就いていた人たちにも感染は広がり、政府も社会も大混乱に陥ります。この状況が自由に報道されたため、「スペイン風邪」と呼ばれるようになったんです。
もちろんスペインはネーミングについて文句を言ったらしいが全世界的に定着してしまったらしい。うわ~。
もし、「中国コロナ」などとトランプ大統領がネーミングしたら中国は黙ってないだろうし、スペイン風邪が流行った100年前は、今よりは牧歌的な時代だったのだね。
そして、スペイン風邪から100年経っても、人類は、特に日本人は全く進歩していないのだった。
池上 警視庁がスペイン風邪予防のための注意喚起もしているんです。その内容が、「人が集まる場所に行かない」「外出するときはマスクをする」「うがい薬でうがいをする」「マスクをしない人が電車内などの人込みでせきをするときは布や紙で口と鼻をおおう」「せきをしている人には近寄らない」「頭痛、発熱、せきなどの症状があるときはすぐに医者に」。
増田 まったく今と一緒! 原因不明の感染症への対策は、一〇〇年経っても何も変わらないということです。
池上 そして残念ながら、悪い面でも同じです。マスクはどこのお店でも品切れになっています。不良品や大幅値上げをしたマスクを売る人たちがいるところまで同じなんです。
マスクをして、うがい・手洗い、三密を避けるのはともかく、マスクの転売ヤーまで存在していたことは噴き出してしまった。昔も今も変わらない。
そして、政府が無策で、国民に外出するな、と要請するばかりなのも変わらない。医療現場の崩壊を防ぐ、休業要請に応じた業者への経済的な援助などやることはいくらでもあるはずなのに、自粛要請の延長や解除の決定しかしていない。
また10年ぐらいするとまた別の感染症でパンデミックが起こるかもしれない。その時はもう少しスマートに乗り切れることが出来るんだろうか?
感染症本はこれからも読んでいきたい。今、気になってるのはこちら。新型コロナウイルスによって再評価されてるようだ。
「コレラの時代の愛」は村上春樹さんが村上Radioでお勧めしていたもので、映画化もされてるようです。
【プロフィール】
夢とか夢中になれることは特に無いので、嫌いなこと、やりたくないことを回避するライフスタイルと、がんばらないためのライフハック がテーマ。
空いた時間はKindle読み上げで本を聴き(週1~2冊)漫画を読んでいく生活(週50冊)。
・片道1時間の自転車通勤中
・食事は糖質制限中。MEC食&高脂質食。ボトルでプロテイン・EAA&メガビタミン。
・ホットクック 1.0Lで自炊中
・服は制服化済み
・住まいは断捨離してミニマリストへ
・マンガと歴史好き
(特に世界史へ進攻中)
これから、やりたいこと――。
・英語で読み書き
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