戦国一挽回した男・仙石権兵衛シリーズも第3部。通説を次々と覆す意欲作だ。
今回はいよいよ本能寺の変を含む。いやでも期待は盛り上がる。
実際、それらしい伏線も張られていた。「高転び」の因果だ。要は貨幣政策のことで、交易の突然の変化などによって、銭の不均衡が起こると高転びが生じる。山陰の大内家、尼子家も高転びして消えていった。
信長は金・銀両方を貨幣政策に組み込み、茶器を高騰させて安定化を図り、銭を安定化させた。
では、天下統一後は? 新たな富の確保のために海外へ進出、てことになる。
一方、秀吉陣営は――。
一統後
銭不足の対応に「米」 を銭貨として
銭流通を安定せしめ
不入の地に入り
検断人以外の武器を捨て去り
徹底した管理の下秩序を布く
たとえ上様のご意向と違えど
智の刃を向けん
この時点では海外進出は反対の立場であった(結局するけど)。さては本能寺の変の黒幕は秀吉、という設定なのか? とワクワクしてきたけれど、そういうわけでもなくて拍子抜け。
そもそも、作中、高転びの因果は、明智光秀が徳川家康へ伝えたのであって、もちろん、その場に織田信長もいたのである。
結局、この「センゴク一統記」では、明智光秀が本能寺の変を起こした理由は良く分からなかった。「信長越えで下克上を完成」? ピンとこないなあ~。
もう一つ面白い伏線があった――。
しかし我は民の理性と変革
是を惹起する
惣町が上から下を選ぶでなく
民の中から町代表を
町代表から町組代表を
町組代表から惣町代表を選び
政の主体を担う
武家は土地を民に任せ
政の執行と検断監視を担う
古代ギリシャのアテネの民主制あたりをイメージしてたのかな? ただ、かなり唐突に出てきたし、秀吉の大返しであっさり倒されてしまったので、消化不良に終わった印象――。
本能寺の変の謎に関してはイマイチだったなぁ。
自分の場合、本能寺の変については「最後のレストラン」説が今のところ一番しっくりくる。
西郷隆盛の西南の役同様、部下の暴発を抑えられなかった、というものだ。
そういえば、「へうげもの」では、秀吉が光秀を唆した設定になっており、黒幕には「わびさび」の世を作ろうとする千利休だった。
本能寺の変に関しては、これからも様々な説が出てきそう。楽しみに待ちたい。
そういえば、最近は秀吉黒幕説が増えてきたような気がする。
ところで、明智光秀――。
ファーストコンタクトが「国盗り物語」だったので、明智光秀に対して世間一般と比べてあまり悪い印象はない。
織田信長は後世から見るとかっこいいけど、現実の職場の上司だったらたまらない。織田家はブラック企業そのものだ。血が乾いたような赤黒さだ。
そんなわけで、明智光秀が主人公となった大河ドラマが放映されるのは何となく嬉しい。観ないとは思うけど(笑)。
最後に明智光秀がらみで一つ――。
歴史4コマ漫画の大家? で「信長の忍び」作者による、「明智光秀放浪記」。ほのぼのとして読んでいて楽しかった。
人間関係に不器用な光秀と「聖妻」のラブっぷりが微笑ましい。
今のところ、無料漫画アプリで読める。
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