鎌倉時代から南北朝時代への過渡期が舞台。漫画で日本の中世が舞台になるのは珍しい。
主人公は下人。早い話が奴隷だ。
奴隷身分から抜け出し、腕っぷしにものを言わせ、弓や馬を覚えて、いっぱしの「悪党」になっていく。悪党は、透波(すっぱ)、乱波(らっぱ)、野武士、後世に下って足軽などと呼ばれた。
ビッグネームとしては、赤松円心、大塔宮、楠木正成、後醍醐天皇、足利尊氏、新田義貞などが出てくる。
物語は第6巻で唐突に終わる。打ち切り? 検索してみたけどよく分からなかった。惜しい! これから北条政権が倒れて南北朝の争いが本格化するところだったのに。朴訥過ぎる新田義貞とか、もうちょっと読んでいたかった。
それにしても、武士と「悪党」の違いがリアルに分かる物語だった。
武士とは、系図がはっきりしていて、家族や親類もいる。
悪党は、早い話が住所不定無職の一人者、「ならず者」だ。どこから来たのか、親は誰か、さっぱり分からない。ただ腕力だけがあって、それを頼りに無法なことをする。地縁も血縁も無いからやりたい放題。
武士と言うのは、少なくとも鎌倉時代あたりまでの武士は、現代の我々から見ると、ヨーロッパの貴族のような者のようだ。
だから、悪党であった楠木正成がどんなに意見を言っても、やんごとない武士の方々がちっとも言うことを聞くわきゃないのだった。
むしろ、後醍醐天皇って、よくもまあ楠木正成に召集をかけたもんだと、そっちの方に感心してしまった。当時の感覚としては犯罪者を仲間に引き入れたようなものだ。
その楠木正成は、この物語では「ひりつく」感覚を求めて戦へと没入していく。かの有名な千早城に立てこもったりもする。
忠義の士というよりは天然な感じ。ぼやんとした人間が生死の境に分け入っていく様は、一般人から見ると異様に見える。本人はいたって平静なのがまた不気味だ。
思えば、歴史ものに興味を持ったのは、小学校の図書館で借りた本がきっかけだったように思う。
少数で大軍を追い返し、悲劇的な最後を迎える。この楠木正成に胸ときめかせたものだ。真田幸村なども、この延長上かもしれない。
同世代の歴史好きと話をしていたとき、お互いに、「千早城のまもり」を読んでいたことが分かって盛り上がったことがある。似たような人が他にも居るのかな?
歴史好きになった原点とも言える中世の時代。漫画はあまり見当たらないから小説の方になりそう。これからはガンガン読んでいこう。
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